映画評「ライフ・アクアティック」

☆☆★(5点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督ウェス・アンダースン
ネタバレあり

監督の名前以外は基本的に事前に情報を得ないことにしている。本作などは監督名すら知らずに観始めたが、タッチを確認するだけですぐに誰の作品か分かる。ウェス・アンダースンはそれほど特徴的な作品を作るわけだが、それと映画の善し悪しは別である。

ロカルノ映画祭ならぬロカスト映画祭で、海洋探検家で映像ドキュメンタリー作家のビル・マーリーの試写会が行われるが、駄作の烙印を受けてしまう。
 撮影中にクルーを一人失っていたのでその復讐と捲土重来の為に新作に取り掛かるが、資金調達に難儀、そこへ突然<息子>と称して現れたオーウェン・ウィルスンから母親の遺産を供与されて、何とか出航。さらに妊娠中の女性記者ケイト・ブランシェットも加わり、クルーのウィレム・デフォーを交えた妙な四角関係も起る。
 さて、一行は仇であるジャガーザメを追って非警備水域に入り、海賊に襲われ人質を取られると、彼らのアジトを逆襲するなど大活躍。

この後言わずもがなの終幕が待っているが、基本的にはパロディー映画である。マーリーは海洋ドキュメンタリーの第一人者ジャック=イヴ・クストーを思わせるし、船上の場面には彼の代表作たる傑作「沈黙の世界」を思わせる場面が幾つかある。

実在しないトラザメならぬジャガーザメやレインボー色のタツノオトシゴなどが登場したり、全編オフザケなのだが、オフビートすぎて独善的な笑いが多い。その中で父と子の関係を見つめるのはアンダースンの前作「ザ・ロイヤル・テネンバウム」と共通する部分ではあるが、些かあざとい感じがあり、常にこうした荒唐無稽なコメディーでしかそれを描けないのでは映像作家として不器用に思われ、余り感心出来ない。

全編をデーヴィッド・ボウイーの歌曲が彩るのは音楽ファンには嬉しいサービス。

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  • <ライフ・アクアティック> 

    Excerpt: 2004年 アメリカ 119分 原題 The Life Aquatic with Steve Zissou 監督 ウェス・アンダーソン 脚本 ウェス・アンダーソン  ノア・ボーンバッハ 撮影 .. Weblog: 楽蜻庵別館 racked: 2006-08-25 10:41