映画評「かわいい毒草」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1968年アメリカ映画 監督ノエル・ブラック
ネタバレあり

三十余年も観たかった作品だが、やっと観られた。
 
15歳の時に放火して叔母を殺した罪で精神病院暮らしをしていたアンソニー・パーキンズが釈放され、製薬会社に勤め始めるが、放火の誘引ともなった妄想癖があり、知り合った女子高校生チューズデー・ウェルドに自分は工作中のCIAエージェントと信じ込ませる。

パーキンズは「サイコ」以来まともな青年役に精彩を欠くようになったのはお気の毒だが、その一方、気味悪さは本作のような異常心理ものには正にうってつけで、彼の代表作に数え入れて良い好演。

高校三年生役を演じた当時25歳のチューズデーがこれまた好演なのだが、トニ・パキにとってはその見かけの可憐さに惹かれたのが運の尽き、工場に細工をした時に出くわした警備員を彼女は殴り殺して拳銃を奪う。その後口うるさい母親をその拳銃で射殺して彼に全責任を負わせ、また新しい男性を物色する。

前半トニ・パキが何をやらかすのかヒヤヒヤしていた観客としては、後半彼女が徐々に現す悪魔的な性格、即ち、かわいい毒としての正体に度肝を抜かれることになる。つまり構成の上手さが成功の要因で、最近の作品と違って小手先の派手な演出を用いていないところが実に良い。

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  • <かわいい毒草> 

    Excerpt: 1968年 アメリカ 90分 原題 Pretty Poison 監督 ノエル・ブラック 脚本 ロレンツォ・センプル・ジュニア 撮影 デヴィッド・クエイド 音楽 ジョニー・マンデル 出演 デ.. Weblog: 楽蜻庵別館 racked: 2006-10-26 20:52