映画評「阿修羅城の瞳」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2005年日本映画 監督・滝田洋二郎
ネタバレあり

「陰陽師」で伝奇ものの実績を上げた滝田洋二郎が演出に当たった伝奇もの。

文化文政というから18世紀末から19世紀初頭、華やいだ外見をよそに巷では人間が鬼になる事態が続いている。鬼殺し出身で現在は歌舞伎役者の出門(市川染五郎)が、女盗人・つばき(宮沢りえ)と恋に落ちるが、彼女は恋に落ちると鬼それも阿修羅になる運命。
 色々とややこしい紆余曲折を経て、結局この二人が最後に直接対決をする、という物語だが、この対決というのが曲者で、対決というより愛撫、その殺陣はまるで踊りである。

それまでそれほど惹かれるものはなかったのだが、この終幕になって俄然目が引き付けられた。
 原作は劇団☆新幹線の舞台劇らしいが、この終幕だけ舞台劇のムードが画面に移されていて、誠に力強いのである。この場面の宮沢りえも美しい。

物足りないのは、この事件の一部始終を観る鶴屋南北の扱いで、狂言回しとしてもう少し気のきいた活躍がほしい。彼の動き次第で全体がもっと面白くなったはず。

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この記事へのコメント

chibisaru
2006年09月09日 14:25
今日も800件ほどスパム削除してました(笑)
この作品、艶やかというか粋というかイナセという感じで映像の美しさも印象的でした。主役二人の闘いぶりは、愛をつむいでいるようでしたね。
オカピー
2006年09月09日 15:21
chibisaruさん、ご苦労様です。
その点、マイナーなわがブログなどスパムすら目を留めない(笑)。
最後だけは、踊りを見ているようで、本当に素晴らしかったですね。
前半をもう少しスペクタクルにし、鶴屋南北をうまく使えれば、ぐっと面白くなったはずなのに。

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