映画評「特攻大作戦」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1967年アメリカ映画 監督ロバート・オルドリッチ
ネタバレあり

戦争映画ファンの間で評価の高い作品で、30年くらい前に観て以来実に久しぶりの鑑賞。NHKハイビジョンによるもので、作られたばかりの新作を観るのと遜色がない色調である。

2次大戦中のお話で、フランスの城を占拠して作られた独軍司令部を破壊する指令を受けた米軍少佐リー・マーヴィンが、死刑囚など重罪で服役しているつわもの12人を選別、激しい訓練を経て、落下傘で現地に潜入して急襲、見事に目的を果たす。

選ばれるメンバーは、有名どころでチャールズ・ブロンスン、テリー・サヴァラス、ジョン・カサヴェテス、クリント・ウォーカー、ジム・ブラウンなどだが、当時新人だったドナルド・サザーランドが結構面白い役で出ている。
 米軍上層部の顔ぶれも、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、ジョージ・ケネディーと誠に豪華で、前半から中盤にかけて男臭い過酷さの中にコミカルな扱いが見られる辺りにロバート・オルドリッチらしさが滲み出る。
 しかし、ご機嫌なのはこの辺りまで。

娯楽映画の中で戦争をゲーム感覚で扱うのは必ずしも悪いことではないが、この作品に見られる残虐性は<ゲーム感覚>では片づけられない後味の悪さが残る。
 戦争そのものが持つ本質的な残虐性とは違う、独軍将軍たちの殺され方のひどさと、その中に軍人ではない女性達が含まれていることを考えると、ドイツ人なら無差別にどんな方法でも殺して良いという平均的なアメリカ人の考え方すら垣間見えるのである。殺されるのが日本人なら、たとえ娯楽映画の中とは言え、正視出来るであろうか。
 僕の意見は<木によって魚を求む>愚ではないだろう。

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この記事へのコメント

ぶーすか
2006年04月22日 22:02
TB&コメント有難うございます。私もNHKBSとhiの2回鑑賞しました。戦争ものでは「大脱走」と同じくらい好きな作品です。

<<ゲーム感覚>では片づけられない後味の悪さ
これはやっぱり戦争を美化していないという点で、私はこの結末、致し方なかったと思ってます。
<ドイツ人なら無差別にどんな方法
「残虐行為」の代償も彼らのほとんどが「死」という代償を払っているので、私はこれもよしとしてしまいました。

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