映画評「エクソシスト ビギニング」

☆☆★(5点/10点満点中)
2004年アメリカ映画 監督レニー・ハーリン
ネタバレあり

1974年「エクソシスト」を映画館で観た時はまだ中学生で、相当奇妙なものを見せられた印象が残っている。その後四半世紀を経て観た時はニューヨークの環境描写が優れていて映画としてかなりの完成度があることに気付いたが、二作ある続編はその辺りで大分及ばない。
 さて、もうネタ不足で続編もなかろうと思っていたら、エクソシストとしてのメリン博士誕生を描いた作品が登場して「商魂たくましい」と驚いた次第であります。

第二次大戦末期自らの教区で起きたナチスの暴挙を防げなかった無力に信仰を失い考古学に身を転じたメリン(ステラン・スカーシュゴード)が、ケニア辺境地で発見され発掘中のビザンチン様式の教会から秘宝を奪う仕事を遂行するうちに、現地の少年が悪魔に憑かれる現場や猟奇的な事件に遭遇して悪魔を退ける義務感に信仰を蘇らせる。

という物語に、現地で働く神父や女医サラ(イザベラ・スコルプコ)を絡めて、ネタを揃えた感はあるが、甚だ興醒めなのは、かつての「サスペリア」よろしく大きな音で観客を驚かせようというこけおどしが大々的に使われていることである。
 少年の兄を襲うハイエナのCGも甚だ不都合で、よく訓練されたシェパードでも使った方が遥かに印象が良かっただろう。

メリン神父の過去を描いたお話としては予想より上出来という印象すらあるが、それはあくまで文学レベルの範囲においてであり、映像と音が物語を展開する映画としては感心しない。

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この記事へのコメント

ronin
2006年03月02日 16:23
エクソシストのシリーズものは、本当によくないですね。他のシリーズものもよくないですが、とにかくヒドイ。期待した私がバカのようでした。
オカピー
2006年03月02日 18:29
「エクソシスト2」などはもう大昔で細かい点は忘れてしまいましたが、二匹目のどじょうはいなかった、という作品です。
今回はメリン神父の過去という着想は宜しく、ディテールもそう悪くないですが、それを映像化する際に余りにこけおどしに頼りすぎて戴けません。
第1作のマックス・フォン・シドウと今回のステラン・スカーシュゴードは共にスウェーデン人。通好みのキャスティングは面白いです。

この記事へのトラックバック

  • イザベラ・スコルプコ -エクソシスト ビギニング-

    Excerpt: 第1作目よりも過去を描いた この「エクソシスト ビギニング」 そう、あのメリン神父と悪魔パズスの 関わりの経緯が物語。 ナチスとの接点は、よくは解らなかったけど メリン神父が「神も仏も.. Weblog: ぐぅちゅえんの見たり読んだり racked: 2006-03-27 19:44