映画評「あげまん」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1990年日本映画 監督・伊丹十三
ネタバレあり

伊丹十三監督は10本の作品を発表したが、その第5作。年代的にも前期最後の作品となる。再鑑賞。
 内容はそれまでのマニュアル映画とは若干趣を異にするが、芸者であるヒロイン・ナヨコ(宮本信子)が水揚げされるまでは【芸者小百科】的な扱いなのは、いかにも伊丹らしい。

水揚げした62歳の坊さんは出世した挙句に数年後に急死、その間彼女自身もそれなりに幸福を味わっていたのだが、縁故でさる大銀行の頭取(大滝秀治)の秘書に転身したものの男運はない。その銀行の一支店長(津川雅彦)と付き合い始めると彼は出世街道をまっしぐら、遂に頭取のサポート役になるが、その為には彼女を捨てざるを得ない。

そのせいでナヨコは芸者に逆戻りすることになるのだが、付き合う男の運命を上昇させるので<あげまん>と言われ首相候補まで彼女に色目を使い始める。そんな彼女を様々な人物が直接的に取り合うという構図にしても面白かっただろうが、ここでは彼女を挟んで皮肉っぽくたっぷりと財界と政界が絡む【料亭】の世界が描かれることになる。

どこか「マルサの女2」に通じる不気味さも感じるが、案外ロマンティック・コメディーとして良い味を出していることに注目したい。

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