映画評「らくだの涙」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2003年ドイツ映画 監督ビャンバスレン・ダヴァー、ルイジ・ファロルニ
ネタバレあり

モンゴルの四世代からなる遊牧民一家の生活を収めたドキュメンタリー。

羊や山羊と共に彼らの重要な家畜であるらくだが出産する春を迎え、若い雌らくだが初めての出産を果たすが、難産だった為に子らくだに乳をあげず子育てを拒否してしまう。そこで一家が案出したのが馬頭琴による音楽効果で、演奏家を連れてくる為に二人の子供が町へ赴く。
 遊牧民にとって定住地まして文明的な生活は驚き以外の何物でもなく、子供たちがテレビやゲームに惹かれるシーンがあるが、この辺りは以前に見たドラマ映画と同工異曲で余り面白味がない。

しかし、その後断然素晴らしい場面がある。
 馬頭琴を母らくだにゆわえ、風に委ね、やがて外した馬頭琴を弾き始めると、一家の主婦が素晴らしい歌声を聞かせる。するとあれほど逃げ回っていた母らくだは黙って子供に乳を吸わせるのである。
 ここは、無条件に素晴らしい。

ドキュメンタリーとしては珍しいことではないが、BGMとしての音楽は全くなく、最後の馬頭琴と歌声がより効果的に聞こえるということもあるだろう。モンゴルの遊牧民の生活を描いた作品は結構観ているので大いに満足というわけには行かないが、終盤の【奇跡】は忘れることはできない。

若い学生たちの卒業制作ということで、後世畏るべし。いやいや、将来が楽しみである。

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この記事へのコメント

2008年05月13日 02:54
制作記録とか読んでみると、あの「奇跡」はやらせではないみたいですね。スタッフも共にあの家族と生活する中で、らくだの親に対する祈りに似た気持が、奇跡をもたらしたのかもしれませんね。
オカピー
2008年05月13日 20:47
kimion20002000さん、こんばんは。

動物は意外と気まぐれなもので、家畜ともなれば傍にいる人間の心意気に感応することがあるのかも。
いずれにしても、十分起こり得る<奇跡>と思います。

この記事へのトラックバック

  • <らくだの涙> 

    Excerpt: 2003年 ドイツ 91分  監督 ビャンバスレン・ダヴァー  ルイジ・ファロルニ 撮影 ルイジ・ファロルニ 出演 曽祖父:ジャンチフ    曾祖母:チメド    祖父:アムガ    祖母.. Weblog: 楽蜻庵別館 racked: 2005-12-27 22:33
  • mini review 05029「らくだの涙」★★★★★★★☆☆☆

    Excerpt: ドイツ Weblog: サーカスな日々 racked: 2008-05-09 02:59