映画評「アンダー・サスピション」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2000年アメリカ映画 監督スティーヴン・ホプキンズ
ネタバレあり

フランスでもかつて映画化されたジョン・ウェインライトの同名小説の映画化だが、これだけの顔ぶれなのに公開に3年もかかったのは何故だろう。

プエルトリコ、サン・セパスチャン祭が行われている季節、チャリティ・パーティーに向かっていた町の名士である弁護士ジーン・ハックマンが警察署長モーガン・フリーマンに任意同行を求められ、そのまま昨日連続して起きた少女レイプ殺人の容疑者として尋問されることになる。

その後殆どが所長と若い刑事トーマス・ジェーンの彼に対する尋問場面となるが、ここで面白いのは回想する場面に所長があたかもいるかのような演出が取られていることである。映画的なようでありながら寧ろ演劇的な印象をもたらし、脚本家の野心が伺え一定の興味が持てる。

しかし、ハックマンが一旦パーティ会場へ現れた後、30才近くも年の離れた若い妻モニカ・ベルッチが警察を訪れ、署長との会話を経、老弁護士のロリコンの秘密が明らかになり、意外(でもないのだが)な幕切れを迎える、という流れを見ると、不満を禁じえない。結果的にはサスペンスではなく、仮面夫婦の実態を描いたドラマであるように感じられたからである。一言で言えば、どっちつかずに終わっているということである。サスペンスであればもっと別の展開であるべきであるし、家庭ドラマなら尋問場面の扱いを変える必要がある。モニカが現れ、署長の扱いが突然狂言回し的になるが、寧ろ最初から狂言回しとしていれば、サスペンスフルでもっと奥行きと幅のある夫婦ドラマになったであろう。

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この記事へのコメント

viva jiji
2006年08月11日 08:00
気持ちが納まらないので時間を置いて2回観ました。
2回目はもっと腹が立って最後はあきれてしまいました。
J・ハックマンにM・フリーマンですよ!宝の持ち腐れもいいところです。
おまけに「スパイ・バウンド」ではうまくカモフラージュされていたM・ベルッチの稚拙な演技があからさまになった勘違い映画です。「顔」と「バディ」だけの女優にこういう芝居をさせたらダメですわ。(笑)
オカピー
2006年08月11日 15:06
viva jijiさん
モニカ・ベルッチは嫌いなタイプではないから許しちゃおうかなあと思っていたのですが(笑)。
原作からの欠点なのか分りませんが、兎に角、余り面白くならなかったのは、狙いを不鮮明にしてしまった作者の設計ミスと思いました。結局バランスの悪さから二人の大俳優が生きてこなかった。フリーマンは脇役をこなせますから、やはり、狂言回しに徹底すべきだったでしょう。

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  • アンダー サスピション

    Excerpt: レイプ殺人事件の第一発見者で町の弁護士・ヘンリーが疑惑を持たれ事情聴取を受け、次々矛盾や真相が浮き彫りになってくる・・果たしてその真相はいかに! Weblog: 映画や本を淡々と語る racked: 2007-04-07 14:56