映画評「きょうのできごと」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2004年日本映画 監督・行定勲
ネタバレあり

「GO!」が抜群だったので行定勲の監督作品はなるべく観ることにしているが、前作「ロックンロール・ミシン」はパッとせず、この作品も途中までは困っていたのだが、終盤作品意図が一気に判明する。従って、途中でくじけずに観続けることができればそれなりに評価できる作品ではある。

大学院生になった妻夫木聡を祝う為に友人の大学宅に5人の男女、つまり計6人の男女が集まる。酒を飲み、ゲームに興じ、妻夫木君の彼女である田中麗奈が男たちの髪を切り、その友人はハンサム男に言い寄る。

といったどんちゃん騒ぎの間に、ビルの間に挟まれた男と浜に打ち上げられた鯨の事件が挿入される。時間軸をいじくらないと映画ではないといった傾向には困ったものだが、これも色々と弄くりまわしている。実はビルの間にはさまれた男はチンピラで、警察から逃げる時に窓から外に出たのが運の尽き。しかも妻夫木と麗奈嬢の幼馴染であることも判ってくる。友人の家を離れたカップル組はラジオで聞いた鯨を見ようと浜に向かい、そこで半日前一緒に騒いでいた友人たちと遭遇する。

何だか馬鹿らしいお話だが、どこかで観たことがあるような話ではないかと考えると、これはちょっと出来の悪い「ゲームの規則」(ジャン・ルノワール監督)なのではないかという気がしてくる。夜のどんちゃん騒ぎの後の朝の静けさには、同作やそれに影響を受けたウッディー・アレン「サマーナイト」や、イングマル・ベルイマンの「夏の夜は三たび微笑む」をも思い出させる。「ゲームの規則」の悲劇性は勿論ないが、【色々な事件が知らない間に起きている】といった当たり前の感慨は独自のものである。

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この記事へのコメント

ぶーすか
2006年12月25日 17:02
TB&コメント有難うございます。行定勲・監督の作品って最近見始めたばかりで、どうんな作風なのかまだ全然把握してません。「GO!」「ロックンロール・ミシン」も未見です。でも昨夜みた「北の零年」はイマイチでした…。年末放送予定の「世界の中心で、愛をさけぶ」を観る予定ですが…苦手なロマンス系なので見る前からあまり期待はしてません…^^;)。
オカピー
2006年12月26日 02:49
ぶーすかさん、こんばんは。
恐らく「GO!」などが本来のスタイルであり、「北の零年」のような文芸タッチのものは押し付け仕事だろうとは思います。
「世界の中心で」も押し付け仕事かもしれませんが、若い人々が主人公ですし、「北の零年」に比べればのびのびと作った感じはあります。「ある愛の詩」よりは落ちるが、「ラスト・コンサート」よりは良いだろう、といったところが私の評価です。相当古い作品との比較ですね(笑)。

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