映画評「CODE46」

☆☆★(5点/10点満点中)
2003年イギリス映画 監督マイケル・ウィンターボトム
ネタバレあり

マイケル・ウィンターボトムは様々な内容の作品を作るが、陰湿で無機質なタッチが苦手で、何とか波長が合ったのはトーマス・ハーディーの「日陰者ジュード」を映画化した「日陰のふたり」ぐらいなものであるが、今回はどうだろうか。

この作品(フランク・コトレル・ボイス脚本)において近未来ではたった二つの世界しかない。街の外と中である。中は文明的な社会だが、移動するには厳しく管理されたパペルという滞在許可証が必要である。このパペルの偽造を巡りシアトルに住む調査官ティム・ロビンズが上海の発行会社を訪れ、社員の一人サマンサ・モートンが犯人であるとすぐに気づくが、彼女の抗しがたい魅力に敢えて告発せず、一夜を共にする。やがて再び上海を訪れた彼は彼女がCODE46という法規に触れた為病院に入院していることを知る。
 CODE46というのは、遺伝子に共通項のある者の性交渉を禁じる法規で、そうした交渉を持った人間はそれに関する結果と記憶を全て消されることになっている。シアトルに戻らずサマンサとアラブへ行った彼も結局、CODE46により彼女との交渉に関する記憶を消されてしまう。

何気なく示唆されているが、既にクローン人間が実現していて、彼の母親とサマンサがDNA上は同一人物という怖さもある。
 しかし、この作品はそうしたハードSF的な設定を駆使しながらも、実態は恋愛映画である。そしてテーマは不毛の愛。高尚な作品であるが、無機質的な部分だけが印象に残り、やはりウィンターボトムへの苦手意識は今回も払拭できなかった。

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  • 難解のようだが、実はシンプルなラブストーリー◆『CODE46』

    Excerpt: 『CODE46』とは「同じ核遺伝子を持つものは遺伝子学的に同一であり、すべて血縁とみなす。体外受精、人工受精、クローン技術に際して、同じ遺伝子間の生殖はいかなる場合も避けること」という、全世界共通の法.. Weblog: 桂木ユミの「日々の記録とコラムみたいなもの」 racked: 2005-11-09 12:22
  • CODE46

    Excerpt: 「CODE46」★★★★(DVD) 2003年イギリス  監 Weblog: いつか深夜特急に乗って racked: 2006-01-05 19:07