映画評「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2002年ドイツ=イギリス映画 監督アキ・カウリスマキ他(計7名:本文参照)
ネタバレあり

10分間だけではなかなか面白いものは作れないことが分ったのが「イデアの森」の唯一の収穫と言っても良いほどだったが、こちら「人生のメビウス」は比較すれば相当に面白い。こちらは欧米7人の監督の競作だが、顔ぶれは幾分豪華と言えるかもしれない。

第1篇のアキ・カウリスマキは相変わらずの旅立ちの物語。10分間に凝縮された「過去のない男」を見ているようだ。

ヴィクトル・エリセは、第2次大戦と子供の誕生を合わせて見せる。「ミツバチのささやき」の精神は未だ変わっていない。

ヴェルナー・ヘルツォークは、ドキュメンタリー。10000年前と変わらぬ生活を送っていたアマゾンの裸族を追い、相変わらずアマゾンへの興味を示す。

ジム・ジャームッシュは、女優の休憩時間を描いているのだが、モノクロ撮影が彼らしい。

ヴィム・ヴェンダーズは、懸命に病院を探す重傷の男を描き、これまたいかにも彼らしいロード・ムービーだ。

スパイク・リーもドキュメンタリーで、2000年の大統領選挙を扱っているのだが、最後の「ブッシュに票を取られた」というコメントがマイケル・ムーアなみに効いている。

最後は中国の陳凱歌(チェン・カイコー)で、狂人らしき男が運送屋を引っ張りまわして最後に驚くべき結果をもたらす、という物語を描いている。

やはり20分くらいは必要かなと思わせるものが多いが、ドキュメンタリーの2編には特にそうした感想はない。全体として監督なる人種はたやすく変わるものではないことを痛感し、その意味では大変興味深かった。

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この記事へのコメント

トム(Tom5k)
2010年01月09日 13:12
オカピーさん、本年もよろしく。
こちらの作品は未見なんですけれど、年末にヘルツォーク&キンスキー関連記事をアップしましたのでTBします。
とても興味深いふたりです。
それにしても、ここでもヘルツォークは「アマゾンの裸族」なのですね。
わたしが凄いと思うのは『コブラ・ヴェルデ』での原住民の女性にマリリン・モンローなみの性的喚起を表現できていることです。
これだけで、彼はただものではありませんよ。
ドロンとキンスキーの共演もスリリングですよ。

それと、年明け松本清張シリーズ、あとでゆっくりお邪魔しますね。
では、今年もまた楽しくやりましょう。
オカピー
2010年01月10日 01:29
トムさん、明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

>ヘルツォーク
「チェイサー」なのになんでヘルツォークなんだ?と思いましたが、「チェイサー」にキンスキーが出演していたからなんですね。

「チェイサー」はすっかり忘れてしまったなあ。
出来の悪いドロン・ファンですみません。<(_ _)>

四半世紀前に映画館で観てヘルツォークの馬力は凄いなあと思いました。
ちょっと興奮したのを思い出しますよ。

再入院だけはしないことを目標に、ぼちぼちやっていくことにします。
これから遊びに参ります。

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