映画評「ディボース・ショウ」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2003年アメリカ映画 監督ジョエル・コーエン
ネタバレだらけ

脚本はよく練られている。一貫したものがある。しかし、物足りないのは脚本にふさわしい軽さが演出に足りないからである。

離婚訴訟に卓越した成績を残している弁護士ジョージ・クルーニーが不動産王の依頼を受けて、妻キャサリン・ゼータ=ジョーンズ相手に勝訴。彼女は離婚太りを続けている女性なのだが、やがて石油王ビリー・ボッブ・ソーントンと結婚する為に【婚前契約書】を作ってほしいと現れる。これがあると相手から財産を譲り受けることができないのだが、彼は結婚式でこれを破ってしまう。勘が良い人ならこのシークェンスの前にピンとくる場面がある。クルーニーによって破産してしまったTVプロデューサー、ジョージ・ラッシュを彼女が訪れ、次の場面で彼女は石油王と現れる。ここに細工があるのである。

さて石油王から莫大な慰謝料を射止めたが孤独を訴える彼女とクルーニーが結婚、金持ちであるはずの彼女が【婚前契約書】を破る。感動した彼は離婚弁護士を辞めようとするが、“石油王”がTVドラマに出演している場面に出くわし、全てがインチキであった事を知る。家を乗っ取った彼女に殺し屋を向かわせた直後、今度は彼女の前夫が死亡、法律により彼女が半分の財産を継ぐことに。今度は殺し屋を止める羽目になる。

といった二転三転の逆転劇が続くのだが、結局二人は元の鞘に戻る。この一連のシークェンスに切れと巧さがなく、彼が離婚弁護士を辞めると宣言する場面ももたつき気味である。さっと切り上げればリズムも良くなったと思う。

最後にラッシュが再登場。彼こそ離婚番組「ディボース・ショー」のプロデューサーで、彼女はそのサポーターなのである。作品が一貫していると言うのはこの辺りで、ラッシュの使い方が実にうまい。そんなこんなで前述した通り脚本は上出来と思うのだが、コーエン兄弟のようなオフビートな感覚よりはビリー・ワイルダーのような正攻法なタッチで仕立てるべきコメディーである。

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