映画評「グリーン・デスティニー」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2000年台湾=中国=アメリカ=香港映画 監督アン・リー
ネタバレあり

文芸ものが得意なアン・リーが監督とは意外(2002年鑑賞当時)だが、手堅い演出が信頼され、依頼される作品の幅が広がっているようである。

清朝最盛期、剣の達人チョー・ユンファが女性ながら愛弟子のミシェール・ヨーに名剣グリーン・デスティニーを北京の名士に届けるように依頼する。届けられた剣は当日、何者かに奪われるが、直前に会った貴族の娘チャン・チーイーがどうにも怪しい。娘は結婚を控えているが、実は盗賊チャン・チェンと愛を誓い合った仲で、ユンファの師匠を殺し彼を敵と狙うチェン・ペイペイの愛弟子なのである。結局、ユンファはペイペイを倒すも毒矢を受けて死ぬ。

アカデミー賞の10部門で候補になった話題作だが、撮影は確かに素晴らしい。
 しかし、作品全体としては首を傾げ放しだった。話の展開ぶりが、これまで評価してきたアン・リーの作品とは俄かに信じられないほどぎくしゃくして甚だおぼつかないのである。即ち、編集賞、外国語映画賞、監督賞の候補には全く値しないのだが、アカデミー会員の名誉の為に彼らは別のバージョンを観たのではないかと調べてみた。しかし、米国公開版も日本公開版と同じ120分で、違うバージョンを観たわけではなさそうである。

西洋人は東洋のエキゾチズムに弱く過大評価になりがちで、ここでも見事にその弱点を発揮してみせただけと理解できる。

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この記事へのコメント

2008年04月24日 17:28
アン・リー監督のはアメリカを舞台にした作品よりも「恋人たちの食卓」や「推手(すいしゅ)」のような出身地の台湾を舞台にした作品が好きです。これは、中国を舞台にした本格的カンフー映画だったのですが、人間ドラマが得意な彼にしてはちょっと、物足りなかったですね…。でもユンファ兄が格好良いので、テレビ放送される度に観てしまいます。
オカピー
2008年04月25日 00:59
ぶーすかさん、こんばんは!

アン・リーはアメリカに渡り、僕も大好きな「いつか晴れた日に」で成功してから、色々なタイプの作品を任されるようになりましたね。
50年ほど前までは映画監督は何でも取れなければ駄目という風潮もありましたが、現在ではやはり得意分野の作品を作るに超したことはないようです。いくらアジア系だからと言って、心理が沈潜するようなドラマが得意な彼にアクション映画を撮らせるなんて・・・企画がひどい。^^;

高級感はありますけどね、話がスムーズに流れないのでした。

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