映画評「キー・ラーゴ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1948年アメリカ映画 監督ジョン・ヒューストン
ネタバレあり

ジョン・ヒューストン初期の代表作と言って良いが、同じ年に作られた「黄金」よりは落ちる。

舞台となるキー・ラーゴはフロリダ南端にある小さな港である、という地理的条件が一つのポイントである。
 まず戦争未亡人ローレン・バコールとその義父ライオネル・バリモアが経営する小さなホテルに、息子であり夫である青年と同僚だった元少佐ハンフリー・ボガートが訪れる。周囲ではインディアン闘争騒ぎもあり、警官の出入りもある。
 これが第1章といったところで紹介部分ということもあり、些かまわりくどい。

僅かに緊張をはらんだだけの落ち着いた気分のところへギャングの一団が正体を現すと、いよいよ緊張感が増す。
 親分はギャング役がお得意のエドワード・G・ロビンスン。警官の一人がギャングに殺され、その夜猛烈な台風が襲ってくる。台風にはピストルも無力で、妙に弱々しい印象を与えるボスの姿が面白い。

翌朝台風一過して、ボギーを操縦士にギャング一味がキューバへ渡ろうとする。出かける前にボスの情婦だった元歌手クレア・トレヴァーがボギーに拳銃を渡す場面が良いが、その前無理やり歌わされる場面から続いて彼女の演技が光る。

海に出たところでボギーが猛反撃を加え全滅させて終わるのだが、相変わらずのハードボイルド・タッチが全編を通じて冴え渡り、ハードボイルドでもきちんと人情は描ける良い証拠となっている。

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この記事へのコメント

ぶーすか
2008年05月02日 11:32
「黄金」は未見ですが、ぜひとも見てみたくなりました。ボギーの映画といっても過言ではないですが、バコールの凛とした美しさが印象的な作品でした。
オカピー
2008年05月02日 18:43
ぶーすかさん、こんばんは!

悪役から脱したボギー主演の映画は、殆どのボギーの魅力に尽きると言っても良いんですよね。
しかし、本作にしてもエドワード・G・ロビンスンや、妖艶なローレン・バコール、うらぶれたクレア・トレヴァーのバックアップも優秀。
ヒューストンの演出もタイトかつハードボイルドで、誠に結構でした。

「黄金」はお話自体がもっと厳しいです。

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