映画評「箪笥」

☆☆(4点/10点満点中)
2003年韓国映画 監督キム・ジウン
ネタバレだらけ

韓国映画を僕は世間ほど評価しないが、それでも恋愛映画やアクション映画には工夫が認められ、日本映画以上に評価できる部分もある。が、「女校怪談」と本作を見るとホラー映画は無駄の多い韓国映画を象徴するような作品の連発で、見込みが薄いと思わざるを得ない。

精神病院で一人の女性が問診されるプロローグの後、一人の中年男性キム・カブスが二人の娘イム・スジョンとムン・グニョンを連れて来る場面から物語は始まる。迎えるのは継母ヨム・ジョンアだが、実際にはこの三人の関係はなかなか分からない。うっかり者の僕などは舞台はペンションなのかと思ったほどである。

中盤になって三人の葛藤から継母・義娘という関係が明らかになるが、途中カブスの先妻の弟夫婦を呼ぶ場面が挿入されるが一向に要領を得ない。そこに幽霊らしきものがいることを示す為だったのだろうと思うが、それにしてはだらだらと長い。

継母は姉とは口論を繰り返すが、妹には暴力を向ける。父親は傍観して時々「目覚めてくれ」と言うだけである。これが大きな伏線であり、終盤で一気に謎が解けるのだが、最近流行りの一瞬のどんでん返しである。

種明かしをすれば、殆どの場面が母を失い、妹を失った姉の混乱した頭の中で起こった幻想だったのである。しかし、そこにこの映画の無理があり、その典型は開巻直後二人の姉妹が車から降りてくる場面である。つまり本作のカメラは第三者的な視点が取られているので、観客はこの場面を現実のもとと考えねばならないが、実は姉の頭の中の幻想である。敢えて擁護するなら、精神病院のプロローグを挿入したことで多少カバーできているのだが、いずれにせよ、基本的にかかるインチキは認めるべきではない。幻想と現実の区別が全く為されていないので、見ているほうは混乱するだけである。病院の場面と幕切れ以外を全て幻想とすれば、幻想の中で過去を回想するという理屈に合わない展開と理解するしかない。

心理映画と見ればもう少し星を増やせるが、やはり総合的に考えると恐怖映画と見るべきであろう。韓国では誰もが知っている怪異談を原作としているようだが、日本人にはどうでもよろしい。失敗作と言うべし。アメリカでリメイクが進行中であるが、理解に苦しむ。

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