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zoom RSS 映画評「白い帽子の女」

<<   作成日時 : 2018/07/02 11:05   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年アメリカ=フランス=マルタ合作映画 監督アンジェリーナ・ジョリー
ネタバレあり

アンジェリーナ・ジョリーが脚本・監督を兼ねて出演したドラマである。監督としての前作「不屈の男 アンブロークン」が日本では謂れのない不遇の扱いを受け、今回は出来栄えが伴わない。

アメリカの小説家ブラッド・ピットと妻アンジェリーナが南仏を避暑に訪れる。この始まりと邦題からパトリシア・ハイスミスのようなサスペンスを思い浮かべるが、残念ながら(?)そういう展開にはなっていかない
 夫君はスランプ気味らしいし、細君は訳の解らない憂鬱を抱えているようで、夫婦の心理はうまく交錯しない。彼女はやがてフランス人新婚夫婦(メルヴィル・プーポー、メラニー・ローラン)が泊まる隣の部屋に通ずる穴が開いていることに気付き、彼らの営みを見ることで倒錯的に慰藉を見出そうとする。その行為に気付いた夫君もこれに加わるが、関係が改善される様子もない。妻は覗き見を超えて若妻のいない隣室へ行く。帰室した夫君がこれに気付き、隣の男を殴り倒す。これをきっかけに夫婦の関係は劇的に変わる。

アンジェリーナとしては妻が鬱屈していた原因を最後に示すというミステリー趣向により劇的な効果を打ち出そうとしたと判り、ニヤニヤできる次第だが、彼女の私生活を知っている人なら、彼女が女性独自の部分を手術したことを反映した心情吐露の作品であることに気付く寸法。それに気づいた方には興味深いと言えそうである一方、実際には些か底が浅いという印象の方が強い。

半年前に観たウェイン・ワン監督「女が眠る時」(日本映画)では、西島秀俊扮するスランプに陥った作家が妻との関係が今一つしっくりいっていないままバカンスに出て、おかしな老若カップルを覗き見したりその部屋にこっそり入ったりしていたが、構図としては非常に似ている。或いはアンジェリーナ女史、かの作品の原作となったハビエル・マリアスの小説を読んでいたのかもしれない。
 しかも西島君は「真木栗ノ穴」(2007年)ではアパートの両隣を覗き見してネタを案出する作家の役を演じていて、何だか面白い繋がりがある。

一番気に入ったのは、1960年代末から70年代初めにかけてのフランス映画を想起させる音楽。そう思うと、この作品にもどこかその時代の売れっ子だったクロード・ルルーシュのドラマに似たところがある。ごく短いフラッシュバックもそれらに影響されているかもしれないが、一人合点的で余り感心できない。

邦題は「白いドレスの女」を意識している。

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