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zoom RSS 映画評「大いなる遺産」(2012年版)

<<   作成日時 : 2018/07/12 09:42   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年イギリス=アメリカ合作映画 監督マイク・ニューウェル
ネタバレあり

チャールズ・ディケンズのこの代表作は何度も映像化されていて、僕の調査によれば、これが17回目でこの後さらに一回映像化されている。それでも60回にならんとする「クリスマス・キャロル」や30回を超える「オリヴァー・ツイスト」には全く及ばないわけだが。
 そのうち僕はデーヴィッド・リーン版(1946年)とアルフォンソ・キュアロン版(1998年)を観ていて、ベテランのマイク・ニューウェルが監督を担当し、結局本邦未公開に終わった本作が3作目。人口に膾炙した作品だけに原作にかなり忠実である。日本では英国ほど知られていないと思われるので、簡単にお話を紹介しておきましょう。

叔母が結婚した鍛冶屋ジョー(ジェイスン・ホーキンズ)に引き取られた孤児少年ピップは、両親の墓参をした時に脱獄囚マグウィッチ(レイフ・ファインズ)と出会って彼を救う。結局男は再び逮捕されるのだが、この事件が後年成長したピップ(ジェレミー・アーヴァイン)の運命に影響を与えることになる。
 その前に少年はミス・ハヴィシャム(ヘレナ・ボナム・カーター)という“行かず後家”に招かれ屋敷を訪問、同世代の養女エステラの相手をするだけの奇妙な要求を仰せつかる。ミス・ハヴィシャムは婚約者と実弟による結婚詐欺に遭い、それ以来時が止まり、花嫁衣装を着たまま数十年を過ごしてきた奇妙な老婦人である。
 数年後ピップは老婦人の弁護士から“ある人物”から立派な紳士になることを条件に莫大な遺産を貰い受けることになったと告げられ、ロンドンで紳士修業を始めるが、次第に彼は享楽的な生活に埋没し、そこへ因縁あるマグウィッチが現われる。

この後不思議な人物相関がミステリーのような綾を成して面白おかしく展開するが、旧作群よりエステラ(ホリデイ・グレインジャー)に対するヒップの心理が比重高く描かれている印象がある。しかし、旧作を観てから随分経つので単なる錯覚かもしれない。

ヒロインのエステラは、悲惨な結婚詐欺に遭った養母の躾のせいで感情を持たない女性になり、それを自覚しているが、最後にピップにより変化を示すことになる。そんな次第で、金銭万能主義への風刺性が強い原作とは違う後味が残る。

“行かず後家”というのは所謂オールドミスのこと。中学時代に外国の小説の翻訳で初めて触れたと思う。

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