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zoom RSS 映画評「続網走番外地」

<<   作成日時 : 2018/06/06 09:28   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1965年日本映画 監督・石井輝男
ネタバレあり

網走番外地」とは全くお話が繋がっていないシリーズ第二作。前作の主人公が同様に主人公をしているわけだからこんな言い方も変だが、スピンオフみたいな感じである。
 一応、第一作同様、原作伊藤一となっているが、キャラクターをそのまま使っているから出してきただけで、お話には全く関係ないのだろう。

網走刑務所を出所した橘真一(高倉健)が弟分の大槻(アイ・ジョージ)と青函連絡船で本州に渡る際、掏られることを以って女掏摸ユミ(嵯峨美智子)と知り合う。その前に二人はどさ回りのストリッパー・グループとも知り合っている。率いるのは年増の路子(三原葉子)で、子供を背負った旦那(大阪志郎)はストリップでトランペットを吹く仕事をしている。そんな彼らを乗せた船上で置き引き事件が発生、警官の取り調べの際にキリスト教尼僧の持っていた鞄から模造マリモが転がり出す。その一つを大槻が拾って自分のものにする。
 やがて、青森で的屋などして稼ごうとしていた橘らは、マリモを失くした尼僧が殺され、その容疑者とされていることを知る。そこへ彼らを文無しにした張本人ユミが現れ、殺した一味が彼らを追っていると告げる。何となれば、マリモの中には函館で奪われたダイヤモンドが数個収められているからだ。
 何故か彼らの状況を知る謎の人物・吉本(中谷一郎)が現われると、橘は弁当の売り子の持つ箱にマリモを置く。売り子は別の列車に乗る路子にそれを授け、路子は賭場に出かけて化粧品入れごとマリモを奪われる。追いかけてきた橘は親分に交渉するが決裂、そこへ前作でお世話になった鬼寅(嵐寛寿郎)が現われ賭場のインチキを暴く。
 かくしてマリモは戻るが、紆余曲折の末に最後は祭会場での二グループ入り混じるマリモ+人質⇔人質交換大騒動に発展する。

真面目に考えると、前作の関係者が全員釈放されているというのが全く変で、まして死刑囚であってもおかしくない鬼寅が出て来るのはご都合主義も甚だしい。しかし、ジャンル映画においてはそういうところは遮二無二考えてもつまらないので措いておくことにする。

それより前作からのこの変化は何と言うべきか。演歌からロカビリーになったような感じで、前作の母ものの要素を交えた人情劇風情は一切なく、任侠がらみの犯罪サスペンスになっている。要は「ライン」シリーズを作った石井監督らしさが思いっきり発揮された作品で、その何作かを併せて焼き直したが如し。
 例えば、マリモにダイヤを仕込むのは人形に麻薬を仕込むライン・シリーズ第2作と同じ発想で、女掏摸のキャラクターは第4作に似る。馬鹿らしいと言えばそれまでながら、ダイヤを仕込んだマリモが転々とする辺り、子供向け冒険小説のように楽しい。こういうのを無邪気に楽しまないのでは、最初から本作を評価する資格を欠くのである。

三原葉子は「ライン」シリーズ最終盤では相当太っていたが、最終作から4年くらい経ち益々肥った。

序盤の人物の交錯などヒッチコックぽい。僕は、石井監督はヒッチコック好きと見ている。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>人形に麻薬を仕込む
「暗くなるまで待って」を思い出しました。
石井輝男は高倉健の訴求圏としてホモを明らかに意識していましたね。おおっぴらにアピールしてくるので無駄に淫靡にならなくてよかったです。
>三原葉子
あまり普段存在を意識してないのですが、よくテレビドラマでも見たような気がします。色っぽい役が多いんですよね。あかるくてユーモアもあって、脇役でいいかんじで出てらっしゃいましたね。
nessko
URL
2018/06/06 14:14
nesskoさん、こんにちは。

>「暗くなるまでを待って」
石井作品が先行していた形ですね。
第一作の「女王陛下の007」もそんな感じで、アイデアが結構豊かだった人なんでしょう。

>無駄に淫靡にならなくて
隠微にしないことで淫靡にならなかったわけですね(笑)

>色っぽい役
ライン・シリーズは、新東宝ですから、色気の発散が目立ちました。
肥って余計にユーモアが出てきましたね。本作も実にユーモラスな役柄で、その代わり嵯峨美智子が若い頃の彼女がやったような役を演じていました。
オカピー
2018/06/06 22:45

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