プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「夜明けの祈り」

<<   作成日時 : 2018/06/25 08:31   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2016年フランス=ポーランド合作映画 監督アンヌ・フォンテーヌ
ネタバレあり

アンヌ・フォンテーヌという女性監督は、旧作から判断する限り、なかなか意地悪な人間観を持っていると思う。

1945年12月ポーランド。赤十字のフランス人女医マチルド(ルー・ド・ラージュ)は、修道女に請われて修道院に赴き、戦争末期にロシア兵に強姦された修道女が出産間際なのに遭遇する。他に7人もの修道女が臨月を迎えているが、体面を大事にする院長(アガタ・クレシャ)の意向もあり、彼女は本部に内緒で独り対処しなければならない。彼女自身も帰還の際に近隣を管理しているロシア兵に襲われかけたりもする。
 かかる折り負傷兵がいなくなったことで赤十字が撤退することになり、その前にマチルドは、修道院を生れた赤ん坊だけでなく、戦争孤児を育てる場所にする提案を修道院側に出す。

最終的に浮かび上がるのは、マチルドが修道女に行動で示したような人間同士の絆であり希望であるが、修道院長を反面教師とする人間のエゴを描出することも忘れない。僕は寧ろこちらが印象に残った。即ち以下の如し。

修道院長は修道院の維持や面子を保つ為に赤ん坊を里子に出すと嘘をついて野に捨てている。彼女は神の名の下に自分の行為を正当化するが、結局は自分の宗教観を守るだけのエゴに他ならない。けしからん。妊娠した修道女の中にも出産に非協力的な態度を示すものがいる。彼女たちもまた、信心の名目の下にエゴを発揮しているに過ぎない。宗教家と雖ももっと人間的であらねばならないだろう。それを表現しているのが終幕である。
 修道院長の挫折を以って彼女たちはやっと人間に戻り、しかも、真の宗教家になったと思う。最後は集団聖母子像のような写真撮影。癒される幕切れになっている。辛辣な人間観は維持しているが、フォンテーヌもぐっと柔らかくなった感じがする。

実話ベースのお話らしいが、実話であることを強調しない。そこが良いね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『夜明けの祈り』
 LES INNOCENTES ...続きを見る
真紅のthinkingdays
2018/06/25 13:24

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「夜明けの祈り」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる