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zoom RSS 映画評「遙か群衆を離れて」

<<   作成日時 : 2018/06/13 08:56   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1967年イギリス映画 監督ジョン・シュレシンジャー
ネタバレあり

大昔に一度観ているが、何故かIMDbには投票していなかった。トーマス・ハーディの初期の代表作をジョン・シュレシンジャーが映画化した文芸大作で、牧歌的なムードは一見してロマン・ポランスキー監督「テス」(1979年)に似る。

エセックスの農家の娘バスシバ(ジュリー・クリスティー)は、朴訥な牧羊夫オーク(アラン・ベイツ)に求婚されるが、虚栄心と気の強さから断る。その後伯父に引き取られた彼女は、間もなく伯父が亡くなったため農場主となり、馬鹿な牧羊犬の為に破産したオークを使用人に加えて、農場経営に乗り出す。彼は鎮火など色々と役に立つところを見せる。
 その頃隣人の農場主ボールドウッド(ピーター・フィンチ)が求婚するが、相手が年配のためか或はオークへの気づかぬ思いのせいか、彼女は大いに躊躇する。そこへ彼女の使用人の少女ファニー(プルネラ・サンサム)の恋人で女好きの少尉トロイ(テレンス・スタンプ)が結婚式でのいざこざの後、バスシバに興味を示して接近してくる。文無しだが色気たっぷりの彼に彼女はすっかり参り、結局結婚するのだが、折しも妊娠したファニーが零落した姿で現れた後救貧院で子供と共に死ぬという事件が起きる。
 彼女を一番愛していたトロイが海で溺死したとされると、ボールドウッドはもう一度「6年間彼が現われなかったら」という条件付きでプロポーズ、受諾して貰える。ところが、パーティーの最中にトロイが不遜な態度で現われた為、頭に来て彼を射殺してしまい、投獄される。アメリカで一旗揚げようと別れの挨拶に来たオークをバスシバは引き留める。

簡単にまとめれば、最初に結ばれるべき二人が遠回りした末に結ばれるロマンスの顛末であるが、男を見る目のなかった利発な女が夫にするには最もふさわしくない男によろめいたことから結局男性二人の人生を破壊してしまう、という観点から観ることが出来、そこにハーディーの人生に対する自然主義的な角度による皮肉がある。
 監督がシュレシンジャーだからその辺りの辛辣さをそこはかとなく巧く浮かび上がらせているが、指摘する人が多いように些か冗長かもしれない(上映時間168分)。但し、個人的には、この手の男女の人生行路を低回的に見せるのは好みではあるし、ニコラス・ローグが捉えた牧歌的情景の美しさと相まって、全く退屈しなかった。

出演陣も誠に豪華。これが初見なら確実にベスト10に入る手応えだ。

昔は純文学にもお話に起伏がありましたな。

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