プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「ワンダーウーマン」

<<   作成日時 : 2018/06/10 09:34   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 4 / コメント 2

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2017年アメリカ映画 監督パティ・ジェンキンズ
ネタバレあり

映画界でもマーヴェル・コミックスとDCコミックスがしのぎを削る状態になっているが、現在では量的にも質的にもマーヴェルが優っている印象。こちらは21世紀になるまで映画界で優勢だったDCコミックスの映画化である。
 1975年にTVで実写化されて日本人にもお馴染みになった「ワンダーウーマン」は結局観なかった。そんなわけで彼女がアマゾネス出身とは知らなんだ。今回実に勉強になりました。

現在のシーンの後、アマゾネスが出て来るので、古代が舞台なのかと思いきや、20世紀初めのパラダイス島なる人類未踏の島なのである。アマゾネスは人間ながら、現在の物質文明を作っている我々とは別人種という趣。
 ヒロインのダイアナ(ガル・ガドット)が主神ゼウスと女王ヒッポリタ(コニー・ニールセン)の半神半人であると後半判るが、その他はどのように生まれてきたのでしょうか? 神話のアマゾネスは定期的に男性と交渉を持っていたのだが。
 第一次世界大戦中、ドイツに侵入し開発途上の毒ガス設計図を奪って飛行機で逃げた英国スパイの軍人トレヴァー(クリス・パイン)がパラダイス島近海に墜落、ダイアナに救助される。そこへドイツ軍が押し寄せ、アマゾネスたちが迎え撃つ。叔母アンティオペ(ロビン・ライト)を含め多数の犠牲を出しながらもドイツ軍の追手を破滅させた後、アマゾネスは彼の正体を【真実の投げ縄】を使って聞き出す。
 彼の告白により物質文明社会が戦争中と知り、戦いの神アレスの仕業と推測したダイアナは母の懇願を振り切って欧州へ出、英国での準備の後、前線で八面六臂の活躍するが、戦いの神アレスが変身したと推測したドイツの将軍(ダニー・ヒューストン)を倒しても戦争は終わらない。戦いの神は英国にいたのである。一方、トレヴァーは毒ガスを使用させまいと身を張って活躍する。

TVシリーズが作られた頃は、女性がアクションに活躍という物珍しさが眼目で、珍しさを評価ポイントとしたりするとフェミニストの女性から非難されたものである。それから30年以上経って昔の男性ばりに活躍する女性の映画は食傷するほど作られる時代になった。それらはフェミニズムを反映しているわけで、ポリティカル・コレクトネスの顕現のような作品と同様に余り好かない。一種のプロパガンダだからである。
 プロパガンダは、ソ連やナチスのそれと同様、露骨に示されると嬉しくないが、この作品はフェミニズムもポリティカル・コレクトネス傾向も確認できるも、童話の活用などでない分、抵抗感が薄く有難い。

それはともかく、アクション映画としてアクション即ち実質的に戦いの場面が多彩で、しかも、出してくるタイミングがよく考えられている。難を言えば、スローモーションを使ったことである。スローはどうも観ていて気勢が削がれることが多く、僕は好まない。

ヒロインに扮するガル・ガドットはアスリート体型の美形で、男性陣には受けるだろう。

ナチスのイメージがあるのでいつの時代もドイツが悪役に配されやすいが、第一次大戦についてはそう責められない。但し、毒ガスはイメージが悪い。

ベーベルの「婦人論」に面白いことが書いてあったので紹介する。そもそも(欧州の)世界は女系から始まった。経済が発展し物理的な力が必要になって男に乗っ取られ従属するようになった。その最後の抵抗の印がアマゾネスの神話だと言うのである。何となくそれらしくて面白い。同じ頃古い英語の小説を原文で読んでいた時に世界が「女系で始まった」ことの証拠になると考えたくなる単語に遭遇した。英語の文語で結婚・婚姻のことをmatrimonyというのだが、これは【母】から生まれた言葉である。即ち、女系社会の名残ではないかと思うわけである。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「ワンダーウーマン」(1回目)
人類が争いをやめないことについて、深く考えさせられた。 ...続きを見る
或る日の出来事
2018/06/10 19:09
「ワンダーウーマン」
予想外に面白かった。「予想外に」なんて書くと、全てのDCファン、アメコミファンから袋叩きに遭うのかもしれないが、個人的な思いとして、もうDCやマーベルのアメコミ系はいっかなー、と思っているもので。だから、確か「スーサイド・スクワッド」でだったと思うけど、ラストにワンダーウーマンが出てきて観客から歓びの声が上がる、なんて現象にはちっともノレなかったし、美しきアマゾネス戦士にも大して興味もなく、まあ縁があったら観るかも、程度だった訳だ。それが、縁があって鑑賞したら、いやホント面白い!ワンダーウーマン... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2018/06/11 12:36
「ワンダーウーマン」☆アクションの優雅さ
こんなにボディラインはっきりのスーツで、優雅に舞いながらアクションを華麗にキメて、クールビューティーな美人がバッタバッタと男性を倒していくんだから、そりゃもう男性陣はたちまちノックアウトでしょう? ...続きを見る
ノルウェー暮らし・イン・原宿
2018/06/12 10:25
『ワンダーウーマン』('17初鑑賞97・劇場)
☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10) 8月25日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター8にて 13:30の回を鑑賞。 2D:字幕版。 9月1日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター7にて 15:15の回を鑑賞。 2D:字幕版。 ...続きを見る
みはいる・BのB
2018/06/12 14:20

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こちらのギャドットは美しいのには文句はないが、発音がナマってましたね(笑)

田舎から出てきたわけ(という設定)だから仕方ないか?!?
onscreen
URL
2018/06/10 21:09
onscreenさん、こんにちは。

>発音がナマってましたね

アメリカ人ではなく、イスラエル人だからなんでしょうね。
英国の俳優がアメリカ映画に出ると、英国出身であるという言い訳をされている役が多いですよね。
オカピー
2018/06/11 15:04

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「ワンダーウーマン」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる