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zoom RSS 映画評「3月のライオン 前編」

<<   作成日時 : 2018/05/07 09:24   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年日本映画 監督・大友啓史
ネタバレあり

最近観るコミックの実写映画版は、クイズを通して題名を知ったものに限られる。例外は僕が信用している監督のものだけだが、大ベストセラーの映画化に彼らがメガフォンを取るとはなかなか考えにくい。例えば、秀作「海街diary」の原作がどれほど売れたか僕は全く知らない。

本作は羽海野チカという漫画家の作品で、アニメ版もあるらしいが、勿論全く知らない。それより気になるのは、最近多い恐らく連続して撮影したと思われるものの前後編公開スタイルである。
 近年これが再登場したのは「ハリー・ポッター」シリーズ最終作ではなかったかと思うが、日本映画もこれに倣って大作(特にコミックの映画化)に目立つ。戦前から戦後にかけて実はこのスタイルが流行ったことがある(「青い山脈」「獄門島」など)が、確かに本作は両方を合わせると4時間半を超える大長編になるから一本として公開するのはなかなか難しい。それでも、映画のTV化としか思われぬこのスタイルについては再考を促したい。

こんな愚痴を言いたくなるのも本来は二本観て初めてレビューができると考えるからで、今回僕は二本観てから本文を書いているが、とりあえず後編について知らないふりをして書いてみる。

恐らく十歳前に交通事故で家族全員を失った桐山零(中高生から、神木隆之介)は、父親の知人であるプロ棋士・幸田(豊川悦司)に引き取られるが、姉になる香子(有村架純)やほぼ同じ年頃の歩と確執が生じ、結局中学でプロ棋士になると家を出て一人暮らしを始める。実力的に彼に追い抜かれた姉弟はプロになる道を諦めざるを得ず、逆恨みするのである。
 現在スランプ気味の零は先輩棋士と未成年の酒で泥酔、仕事帰りの川本あかり(倉科カナ)に助けられ、彼女が両親代わりを務める次女ひなた(清原果耶)や未だ幼稚園児の三女モモ(新津ちせ)を含めた川本家全員と親しくなる。祖父(前田吟)は別の場所に店を営む和菓子屋職人で、姉妹たちも手伝っている。叔母(板谷由夏)はあかりが勤めるスナックのママである。
 零はこれを契機に調子を上げる一方、大先輩の棋士・後藤(伊藤英明)が配偶者を持ちながら義姉と付き合っているのを不愉快に思って前のめりになりすぎ、その前哨戦であるA級棋士・島田(佐々木蔵之介)に一蹴されてしまう。やがてその島田の研究会に参加し、実力をつけていく。

将棋は事実上指せない(駒の動かし方は一応知っている)ので、知っていればもっと楽しめた可能性もあるが、知らなくてもさほど問題はなさそうである。

この前編は、一種のスポ根映画と見なすことができる。対局中の二人が内面モノローグを吐く辺りが特にそれを感じさせる。対局中に体育系ばりに相手の様子を伺ったり(顔を睨むなど)、言葉を挟んだりするのは、実際の対局にあるかどうか僕は知らないが、プロ将棋映画「聖の青春」やTVでの様子を見る限り、実際とは違う感じがある(あくまでイメージ)。この辺りもスポ根である。

お話に感興は十分湧き、年寄りにも楽しめる。ただ、この前編を見る限りでは、川本家との関係は主人公にとっては息抜き、観客にとってはアクセントに留まる。その割に出番が多いので後編に含みを残すわけであるが、単独で批評すると“バランスがやや悪い”ということになる。この辺が前後編映画の単独での評価のしにくさだ。

配役陣では新津ちせちゃんが誠に可愛らしい。ミライフのCMで食べたいパンを問われ「プロパン!」と答える女の子だね。CM同様ユニークな彼女が出て来るのを楽しみに観続けましたぞ。調べたところ、すっかり名前が知られるようになった新海誠監督の娘だそうでござる。

後藤棋士を見ていると、外側の情報だけで人を判断してはいけないなあ、と思いますデス。

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