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zoom RSS 映画評「白昼堂々」

<<   作成日時 : 2018/05/02 08:39   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1968年日本映画 監督・野村芳太郎
ネタバレあり

ハードボイルド作家・結城昌治の同名小説を野村芳太郎が映画化した犯罪コメディー。当時の野村監督はほぼコメディーに特化していたが、1970年の「影の車」以降ミステリーが多くなる同監督の二つの側面が一緒に観られるような作品とも言える。

北九州で女掏摸・生田悦子が掏摸を働いた相手(坂上二郎)に捕まえられたところを、刑事を名乗る藤岡琢也に救われる。刑事とは詐称で実は元掏摸、現在は東京のデパートの保安係をしている。彼女の師匠に当たる渥美清とは旧友で、訪ねてみることにする。
 渥美は筑豊の炭鉱跡のようなところでスリ・万引き集団の組合長のようなことをしていて、今のままでは組合経営が行き詰ってしまうと泣きつく。高校生の娘のいる藤岡は元に戻るつもりはさらさらないが、東京での一味の仕事ぶりにアドバイスをしてやる。
 一仕事をした後二人は一目置いている刑事・有島一郎が引退すると聞き、元気づけようと偶然を装ってばらばらに会いに行く。二人の更生ぶりに活気づいて刑事は引退宣言を撤回、東京で頻発する集団万引き事件を追ううちに筑豊に辿り着き、結局渥美の更生宣言が嘘だったと知る。藤岡は、デパートでの強盗という大仕事に乗り出した渥美がへまをした時に助太刀をして二人共御用になる。

というお話で、掏摸や万引きに同情するつもりはないが、炭鉱の衰退など彼らがそうなる背景をちらつかせて多少社会性を漂わせ、そこから人情味を広げていくという寸法である。

この小市民的な喜劇性は恐らく原作とは違う持ち味で、渥美清と藤岡琢也という達者な男優を得て面白可笑しく見せるのに一応は成功している。犯罪模様も具体的に現実を踏まえつつ、大いに喜劇的処理を加えて楽しい出来栄えなのである。とは言え、扱われているのが堂々たる犯罪だけに喜んでばかりはいられず、同じ人情喜劇でも寅さんのような爽やかな後味というわけには行かない。

倍賞千恵子は妖艶な万引き犯で、渥美のグループに加わり、やがて彼と契約結婚するという珍しい役柄。最後は太ももに手書きした刺青もどきを警官に見せて大見えを切る。ここがなかなかの見ものでござる。

68年だから寅さん前夜か。尤も、TVではこの作品と同じ頃放映が開始されたが。

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