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zoom RSS 映画評「アメリカン・ヒーロー」

<<   作成日時 : 2018/04/08 09:07   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督ニック・ラヴ
ネタバレあり

インディ風(実際にインディが多いのだろうが)SF映画も近年は珍しくない。個人的に大して感心しなかったが世評が良かった「第9地区」もその数に入れて良いだろう。
 本作は、ドキュメンタリーに見せかけるモキュメンタリーの手法を大々的に取り入れて、アメリカの現実を斬って見せる。アングル的にはなかなか興味深い。

チンピラのスティーヴン・ドーフは物体を意思で動かせる念力の持ち主。黒人の妻と離婚するが、だらしない生活ぶりに裁判所は親権を母親に渡し、息子への接近も禁じられる。根は気の良い男で、戦場での負傷で半身不随になった黒人帰還兵と友人となって親切にしている。街は麻薬ギャングが仕切っている状態で、これを何とかしたいと念力を生かしてギャングを倒し、妻の理解を得て息子に会うことも許される。

この念力というのが中途半端ではなく、車を軽く飛ばしてしまう。分解も合体もほぼ自在。「X−メン」並みというのが愉快でござる。反面、それ以外の描写はごく日常的なスケッチで、そのアンバランスぶりがまずは面白いと言えないこともない。「X−メン」が超自然的な世界に日常を持ち込んだとすれば、こちらはごく日常的な世界に超自然的な要素を投入したと言えば、凡その雰囲気が掴めるだろうか。

ここに出て来るのは、離婚家庭、負傷した帰還兵、麻薬ギャングが席巻する貧民窟というアメリカ社会の一断面である。主人公は超能力以外は全くダメな人間ぶりで、小遣い稼ぎにそれを使って心臓に負担がかかっている状態、それでも(それだからこそ)下層階級が感じている閉塞感を打破すべく、彼個人にしてみれば息子に会いたい一心で、ギャングに立ち向かうのである。アメリカに住んでいる方はこの感覚が解るのではないだろうか。ご覧になった方は少ないだろうが、フランスの社会派映画「ディーパンの闘い」の終幕を思い出させる。

ただ、プロダクション(作品)として貧弱な印象は免れないし、もう少し新味がないと不満が評価したい部分を上回る。

タイトルは極めて反語に近い。

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