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zoom RSS 映画評「喜劇 男は愛嬌」

<<   作成日時 : 2018/04/27 09:01   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1970年日本映画 監督・森崎東
ネタバレあり

喜劇 女は度胸」の続編的作品。

不良少女・倍賞美津子が少年鑑別所を出所し、隣の青年・寺尾聡が保護司を買って出る。そこへ彼女を不良にした張本人の彼の兄・渥美清が遠方のマグロ漁から久しぶりに帰ってくる。二人を接近させては彼の目論見も成り立たないが、事は若者の思ったようには行かない。渥美兄ちゃんは、彼女の出所を祝った結果、ちょっといかれた父親・浜村純とカリエスを患っている幼い弟のいる彼女の家へダンプを突っ込ませてしまう。
 強欲な家主・田中邦衛から賠償金その他を請求され、兄ちゃんは、一か月以内に彼女を金持ちと結婚させ、結納金で賄ってやると見えを切、漁の間に知り合った大会社副社長の宍戸錠や、田中本人、自称作家の財津一郎との縁談を画策するが果たせない。
 彼女は町へ出て売春に見せかけたカツアゲで費用を捻出しようとし、それを止めに入った寺尾青年が結果的に刑事を負傷させ、執行猶予とは言え前科者になってしまう。かくして似た者同士となった寺尾青年と美津子嬢は結ばれる。

今回は山田洋次が一切関わっていない為か、お話が出たとこ勝負的で、前作と比べると荒い印象。例えば、前作ではゲーテの「若きウェルテルの悩み」が通奏低音として上手く生きていたのに対し、今回のトルストイの小説――恐らく「アンナ・カレーニナ」――は余り機能しない。

色々とあっちへ行ったりこっちへ行ったりしドタバタの可笑し味で見せているが、本作の面白味の肝は、青年が恋する不良少女の更生の為に一肌脱ごうとし、その為に彼女を自らどんどん遠ざけてしまうという心理と行動のねじれにある。最後まで観ると渥美兄ちゃんはそれに気づいていたようであるが、観客にその面白味の肝が通じるように作られているかどうかと言えば相当疑問なのである。

そのちゃらんぽらんさが、緻密で品の良い山田洋次と違う、森崎東も持ち味であると言えばそれまでではあるものの、僕には作劇的に物足りない。その代わり山田作品にはないハードボイルドさ、特にこの作品ではアナーキーぶりに嵌る人は嵌ると思う。山田作品が人間のやさしさに収斂していくのに対し、森崎作品は人間のしたたかさに帰着する。そこでも好みが分かれるだろう。

寅さんの従弟みたいなこの兄さん、寅さんほど性格が複雑怪奇ではない。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは〜
どうしてるかと思って、検索してきてみました
また、きます〜 ご挨拶まで
ひろたん
URL
2018/04/27 18:55
ひろたんさん、こんにちは。

お話した記憶がないんですよねえ。人違いでしょうか。
しかし、僕も実は“ひろたん”ではありますし、十数年前に死んだ猫の名前もミーちゃんではありますしs、まるで自分のドッペルゲンガーを見るようでした^^
オカピー
2018/04/28 09:23

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