プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「オペラ座/血の喝采」

<<   作成日時 : 2018/03/29 09:37   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 0

☆☆★(5点/10点満点中)
1987年イタリア映画 監督ダリオ・アルジェント
ネタバレあり

一部でダリオ・アルジェントが好きではないかという憶測がなされている僕であるが、映画文法的に映画を見て評価する傾向がある僕には不満が多いのが彼に関する実際。
 本作は、20年前に本邦で公開されたものより11分ほど長い完全版で、日本公開版を見ていないので比較はできないものの、少し流れが解りやすくなっているのではないかと推測できる。

本物のカラスを用いる演出のオペラ「マクベス」のリハーサル中に、カラスの鳴き声に嫌になって劇場を飛び出したプリマドンナが交通事故に遭う。そこで若い歌手クリスティーナ・マーシラックが代打に起用され、好評を博すが、その後から怪人物に付きまとわれる。怪人物は彼女を束縛した後に目を閉じられないようにし、眼前で助監督を惨殺し、次いで同じ状態で衣装係を殺す。

映画ファンであれば、サイレント時代からのホラーの古典「オペラ座の怪人」のヴァリエーションであると思わざるを得ない内容で、アルジェントらしく残酷味が強いと言っても、昨今のホラー映画に比べれば人体損壊度はそれほどではない。CG発展期の作品ではあるが、VFXよりSFXで作られた感じが強く、僕のようなオールド・ファンにはこういう方が精神的によろし。

WOWOWとTSUTAYAとのコラボ企画である“発掘良品”の一本で、進行役・斎藤工とゲストたる若手映画監督・白石和彌の論評を聞いていると、本作に関しては、斎藤君より白石監督が嵌っている感じ。監督の本作に関する特徴への指摘は一々当たっているが、評価自体は真逆である。
 例えば、主観ショットの多さ。彼は視点の主が頻繁に変わり観客を当惑させるのを好意的に捉えている。僕は、特に、一応は犯人のものと思われる主観が、本当に犯人の主観なのか、単なる移動撮影なのかはっきりさせていないため映画言語的にすっきりせず、いずれにしても思わせぶりが過ぎて気に入らないのである。お話がどこへ向いているのかしばしば解らなくなるのも、監督と違って肯定的に捉えられない。

サスペンス的には、ヒロインを警護する任務に当たる本物の刑事とそれを騙る異常者が部屋の内外にいて、どちらがどちらか解らなくなるというアイデアがなかなか面白く、アルジェントにしては具体的に上手く見せている。

事実関係を知らなくてもそれと知れるダルジェントもどきの映画監督が登場するのも興味深い。実際、彼はオペラを演出した時に散々に酷評されたようだ。欧米で評価がそれなりに高く、日本で低いが、この作品に関する、純粋に技術的な評価は日本の観客の方が正しいと思う。

カラスの登場によりエドガー・アラン・ポーを思わせるが、ヒッチコッキアンを自称するアルジェントなので「」に影響されたところがあるかもしれない。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「オペラ座 血の喝采 完全版」
ダリオ・アルジェント映画以外の何ものでもないなあと。 ...続きを見る
或る日の出来事
2018/04/14 10:10

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「オペラ座/血の喝采」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる