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zoom RSS 映画評「王様のためのホログラム」

<<   作成日時 : 2018/03/25 09:34   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年イギリス=ドイツ=フランス=メキシコ=アメリカ合作映画 監督トム・ティクヴァ
ネタバレあり

トム・ティクヴァの映画としては面白くないと一応言っておきましょう。原作となったデイヴ・エガーズの同名小説はベストセラーと言うが、映画化されたものからは売れた若しくは売れている理由が解りにくい。

いきなりトーキング・ヘッズの1980年頃の代表曲「ワンス・イン・ア・ライフタイム」をトム・ハンクス演ずる主人公が歌い始める。この歌詞により彼が大手自動車会社の重役、家、車、家族すべてを失ったことが解り、そして、転職したIT企業の代表としてサウジアラビアの王様にホログラムを売り込みに乗り込むお話となっていく。

なかなか面会できない王様を待つ日々の間「ロスト・イン・トランスレーション」よろしくカルチャー・ショックに苛まれるうちに、背中に脂肪腫ができ、その手術を担当した中年女医サリタ・チョウドリーと恋に落ち、イスラム社会ではなかなか難しい彼女の離婚の成立とともに暫くサウジでやって行くことにする。

冒頭で述べたように余り面白くないが、嫌いではない。作品として上手く行っていないように思われるのは、主人公が売り込みに苦戦しカルチャー・ショックに苛まれる話が突然ロマンスに変わってしまう印象を禁じ得ないからである。前半における布石が足りず、中盤までと後半とで二つの映画を観ているような感じに終わるのでは、見せ方として上手いとは言い難い。

しかし、お話の整合性がとれていないわけではない。まず、彼の背中にできた脂肪腫は全てを失った彼の落ち込んだ精神のアレゴリーである。その脂肪腫を取り去るのは女医である。つまり彼女が彼の精神を復活させるわけだから、二人が恋に落ちるのはドラマツルギー上は必然、上記の唐突感を感じさせなければもっと手応えのある作品となったにちがいないのである。

ニューウェーヴの代表的存在のように感じていたティクヴァが、必ずしも正攻法とは言い難いものの、こういう疲れた大人に向けたような作品を作ったことに感慨を覚える。

額にできた脂肪腫を取ったことがある。局部麻酔をしたが、痛いこと痛いこと。痛みから言えば全身麻酔の心臓手術の方がよほど楽と思う。

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