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zoom RSS 映画評「恋妻家宮本」

<<   作成日時 : 2018/01/07 09:36   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・遊川和彦
ネタバレあり

阿部寛はとぼけた感じが可笑しいのでご贔屓にしている。映画そのものがつまらなくても彼を見ているだけで楽しめてしまう。全く正体不明だった本作を観たのも彼が出演しているからである。“恋妻”は“こいさい”と湯桶読みに読ませるらしい。

細君・天海祐希(若い時は早見あかり)と結婚して27年の高校教師・阿部寛(若い時は工藤阿須加)は、一人息子・入江甚儀を結婚させた後、書棚に収められた本「暗夜行路」の中に離婚届を発見して激しく動揺する。
 一方、教え子・浦上晟周君は、母親が不倫(?)中に交通事故に遭い、そうした母親への嫌悪もさることながら、必要以上に厳しい祖母・富司純子に怯えて、お見舞いにも行けない。
 料理教室に通って味をしめた阿部教諭は学校でもサークルを作ろうとするが、誰も来ず、成り行きで少年に料理を教えることになる。少年は母親に手料理を持っていくものの、病室には入れない。

この教師と生徒、優柔不断という大きな共通点を持っている。しかるに、阿部教諭、この件では大いに生徒の役に立つ。
 これに気を良くした先生は、何が不満か解らぬも福島の息子宅へ逃げ込んだ細君を手料理を持って追いかけ、すれ違いになりかけた駅(駅名が恋妻というのが笑わせる)でやっと妻の本音を聞き出す。

原作は重松清「ファミレス」。相当改変している模様で、この映画版は群像劇的要素を散りばめながら群像劇にはせず、ベテラン夫婦が互いの愛情を確認する夫婦愛の作品に仕立てられている。生徒の問題はそれを大いに補完する要素である。
 子供を育て上げたくらいのベテラン夫婦には誠に誠に(笑)実感を伴う内容で、とりわけそうした観客層にはつまらなくないと思われるが、脚本兼監督の遊川和彦の作り方が解り易すぎて余韻を欠く。生徒と教諭の類似を幾重にも積み重ねて展開する手法は、上手く行けば相当面白くなるのだが、初メガフォンという遊川監督の処理ぶりはくどく感じられがちで、まだその手法を以って僕を納得させるだけの巧さが感じられない。だからハッピーエンドが上滑りする。

些かTV的ながら、画面には工夫が観られる。不倫事故の想像では彩度の低い画面において唇と車の赤を強調してみたり、阿部教諭が浦上君に料理を教えている最中に祖母が入って来た時の画面は暗く寒色系だったのが、阿部の説諭が奏功すると画面は明るく暖色系となる。別の映画でも見られた手法であり、かつ、見え見えとは言え、漫然と撮るよりはずっと良い。

メッセージらしきものは幾つかあるが、やはり阿部が祖母に説く「正しいより、優しいが良い」がなかなか感動的。

TVドラマを見ない僕は、CM以外で天海祐希の演技を初めて見ました。

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恋妻家宮本
一人息子が結婚し、50歳にして初めて2人きりとなった宮本夫妻。 ある日、中学教師の夫・陽平は、専業主婦の妻・美代子が隠していた署名・捺印済みの離婚届を見つけショックを受ける。 …27年前、陽平は大学院進学を、美代子は教師を目指していたが、美代子が妊娠したために二人は結婚し、陽平は教職の道を選んだのだった…。 ≪その夫婦は、離婚届から始まった。≫ ...続きを見る
象のロケット
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