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zoom RSS 映画評「恐喝こそわが人生」

<<   作成日時 : 2018/01/30 08:16   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1968年日本映画 監督・深作欣二
ネタバレあり

藤原審議官ならぬ藤原審爾は、1970年代角川文庫の既刊本コーナーに大量に作品が紹介されていたが、中高生だった僕は一向に興味を覚えなかった。今回本作の原作者として久しぶりに名前を見た。一応懐かしいと言っておきましょう。

4人組の恐喝団、即ち松方弘樹、室田日出男、城アキラ(後のジョー山中)、紅一点・佐藤友美が、密造酒をめぐる恐喝から始まり、秘密会員が集まっていそうなクラブに乗り込んで撮ったブルーフィルムで味を占め、逆に恐喝してきたやくざから大量のフィルムを奪ってさらに大儲け。お金だけでなく松方は人気女優の園江梨子をものにする。麻薬絡みでやくざに殺された城の父親の復讐も抜群のコンビネーションを発揮して果たす。
 やがて、政財界が複雑に絡む与党総裁選をめぐる念書を首尾良く取得したまでは良いが、政治を裏で操る財界の大物・丹波哲郎には結局歯が立たない。

という犯罪映画で、監督をした深作欣二は、当時流行り始めたストップ・モーションや手持ちカメラによる撮影を駆使してスピーディーに見せる。後年の「仁義なき戦い」と共通する持ち味である。
 それに松方のナレーションを加えてハードボイルドさを、「東京流れ者」(メロディーは渡哲也が歌ったバージョン)のメロディーを随時流し或いはモノクロのフラッシュバックを多く挿入してもの悲しさを醸成する。フラッシュバックの多用に関してはやや五月蠅く感じられるものの、これによりテンポが緩くなった印象は与えない。但し、少々散漫である。

“Yahoo!映画”に「俺たちに明日はない」(1967年)を感じるという意見もあり“なるほど”と思ったが、僕は「冒険者たち」(1967年)を思い出していた。女性がいるのに仲間の一人という位置づけが常に(グループ関係がご破算になるまで)維持されていたり、主人公が大物に倒されてしまう辺り共通するところがある。死に方は「勝手にしやがれ」(1959年)だが。

といった具合に総じて興味深い。しかし、それは今の作品が“映画的に”甚だつまらないからではないのか、という思いも否定しきれず、同時代的な感覚で厳しく評価した。

夢を持ち、ちょっとやけくそ気味。それが1967−68年頃のムードだったのだろう。僕はまだ小学生だったから、肌では実感していない。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
藤原審爾原作の「赤い殺意」「泥だらけの純情」「秋津温泉」「ある殺し屋」「女は男のふるさとよ」を見ています。病身でしたが小説を書くことが大好きだったのですね。その他にも、野球で国体東京代表になったとか、藤真利子のお父さんだとか、話題豊富な作家。去年亡くなりましたね。姑より3か月若いんですが。いや、よけいなお喋り、どうも失礼しました。
Bianca
URL
2018/01/30 12:05
Biancaさん、こんにちは。

>藤原審爾原作
「女は男のふるさとよ」以外は、僕も見ています。
いずれも見応えある作品でしたが、「赤い殺意」と「秋津温泉」がお気に入り。
純文学からごく大衆的な小説まで幅広い作家だったようですね。

藤真利子のお父さんでしたか。作家の娘も結構芸能界に多いですね。
オカピー
2018/01/30 21:53

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