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zoom RSS 映画評「女が眠る時」

<<   作成日時 : 2018/01/28 08:28   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年日本映画 監督ウェイン・ワン
ネタバレあり

小説家が主人公もしくは準主人公のミステリーもしくはミステリー風ドラマは、入れ子構造と思って解釈すると解りやすくなることが多い。「スモーク」という秀作を20年ほど前に発表したウェイン・ワンがスペインの作家ハビエル・マリアスの短編を映画化した本作もそういう風に解釈した。ワン自身がどう理解しても良いと言っているのだから、正解も不正解もないわけだが、より落ち着きが良い解釈というものはあるだろう。

デビュー作で有名な賞を獲った後第二作を書き、その後すっかりスランプに陥った小説家・西島秀俊が、編集者の妻・小山田サユリと、一週間の予定で海岸沿いにあるリゾート・ホテルに宿泊する。
 プールで休んでいるとき妻が先に気付いた、初老の男ビートたけしと二十歳くらいの美人・忽那汐里のカップルに妙に惹かれ、やがて彼らに接近すると、初老男はカムコーダーで彼女を毎日撮っていると言い、「殺した方が良い」という刺激的な言葉を吐いたりする。それに挑発されるように二人の部屋に忍び込んでカムコーダーを覗き見てピンチを迎えた後、彼女の失踪事件が起こる。殺人事件かもしれず、刑事・新井浩文に怪しまれる。
 最後のシークエンスはホテルから離れ、遂に第三作で成功を収め、妻の妊娠に幸せそうな西島がいる。

ホテルでのお話は、彼がホテルで体験した奇妙な事件を元に書いた小説の中身と僕は解釈する。つまり、リアルで進行するお話であると同時に作品中の出来事でもあるという解釈である。先般見たパトリシア・ハイスミス原作の「ライク・ア・キラー 妻を殺したかった男」とかなり似た仕組みと考えるわけで、少なくとも夢落ちのように全て作家の創作・幻想と考えるのでは甚だ面白味を欠く。

ただ、作者が完全に観客にまる投げするタイプの作品には、作り方によって判断が分かれるにしても、否定的にならざるを得ないケースが多く、本作の場合はその思いが強い。

ウェインさん、ホールイン・ワンとは行かず。

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