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zoom RSS 映画評「スウィート17モンスター」

<<   作成日時 : 2018/01/27 08:13   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2016年アメリカ=中国合作映画 監督ケリー・フレモン・クレイグ
ネタバレあり

アメリカでは変てこだがなかなか魅力的な青春映画が時々生まれる。本作もその数に入れて良いのではないかと思わせる面白さがある。

小学生の頃から自己嫌悪に苛まれるいじめられっ子だったネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は、毛虫を可愛がる変わった女児だったクリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードスン)を唯一の親友として高校生になるが、そのクリスタがナルシストと見なし嫌悪している兄ダリアン(ブレイク・ジェナー)と親しくなり、しかもパーティーで他の若者たちと親しくなったため怒り心頭に発し、彼女と絶交してしまう。
 韓国系男子の同級生アーウィン(ヘイデン・セットー)が関心を持ってくれているようであるが、自分の本命は量販ショップでバイトをしているニック(アレクサンダー・カルヴァート)。その彼に奇妙なメールを送ってしまって動揺するも、ニックが好反応を示し夜のデートへ。しかるに、彼の関心は性的欲望を満たすことのみ、ロマンティックな関係を目指す彼女を失望させる。
 かくして落ち込んだ彼女は、面白くないことがある度に休み時間に押しかけ話し相手になってもらう歴史教師ブルーナー先生(ウディー・ハレルスン)の家で慰めてもらう。そこへダリアンが迎えにやって来るが、どうも兄には素直になれない。しかし、先生に送ってもらった自宅で兄の自分に寄せる気持ちを理解、遂に自己嫌悪いっぱいだった自分にサヨナラが出来そうだ。

ヒロインは自己嫌悪から他人に迷惑を掛けるタイプだから、観客の中にも共感できなかったり、反発を覚える人もいるだろうが、何度も言っているように優秀で性格にも問題がない人を主人公にしてもドラマは面白くなりにくい。その場合は周囲を変人で固めて主人公を困らせるしかないが、それではどたばたコメディーに終始し、本格的な心理ドラマにならない。
 その点本作は、コメディーながら心理分析の角度から相当興味深いヒロインと唯一の親友が大嫌いな兄と懇ろになってしまうという絶妙なシチュエーションを用意し、楽しませてくれる。

周囲の人物で狂言回し的に巧く機能しているのは、歴史教師である。この先生、説教など一切しないくせに何気なくヒロインを慰めたり落ち着かせたりする天才である。例えば、最初の一幕。「自殺する」と物凄い勢いで入ってくると、彼は止めず「俺も遺書を書いていた」と言い、彼女を呆れさせる。これで彼女の自殺気分はすっ飛んでしまうという具合。全てがこの調子で、こんな先生がいればセラピストは不要であろうし、映画的には良いアクセントとして実に楽しく観られる所以となっている。

お話の進め方も淀みなく明朗に展開させてなかなか好感触。ヒロインの成長ぶりに終わるのは型通りではあるが、余り神妙になっても青春映画らしくなくなってしまうので、この程度で丁度良いのだろう。

横文字でも原題とは違う邦題。洋楽をよく聴く人なら自ずとチャック・ベリー「スウィート・リトル・シックスティーン」を思い出すのではないかと思いますが、いかが。

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『スウィート17モンスター』
 THE EDGE OF SEVENTEEN ...続きを見る
真紅のthinkingdays
2018/01/27 23:27

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
歴史教師ウディ・ハレルソン、良かったですね
いいアクセントになってました。
先日WOWOWで放送があったので、オープニングの説得シーン、キープです(笑)

彼は「スリービルボード」でもいい演技してました。
今後も期待です!
onscreen
URL
2018/01/27 12:20
onscreenさん、こんにちは。

>ウディ・ハレルソン
僕とほぼ同じご感想をお持ちになったようですね。
さすがに解っていらっしゃる(笑)
ジャンル映画で怖い役の多い彼ですが、さすがに俳優、上手いものです。

>「スリービルボード」
早速メモしました(*^^)v
オカピー
2018/01/27 18:47

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