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zoom RSS 映画評「LOOP/ループ−時に囚われた男−」

<<   作成日時 : 2018/01/17 08:56   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年ハンガリー映画 監督イシュティ・マダラス
ネタバレあり

ハンガリー映画は数本観たことがあるが、大衆的なものは、今回が初めてである。日本劇場未公開作。

麻薬の密売で生計を立てているアダム(デーネシュ・サーラズ)は、今回の仕事でボスのデシュー(ジョルト・アンゲル)を出し抜いて仕事を辞めようとするが、恋人アンナ(ドリナ・マルティノヴィッチュ)は妊娠したので仕事には加わらないと告げる。アダムは、彼女を父親の病院に診察に行かせた後、仕事に取り掛かろうとすると、彼女に切符を奪われていた為、街に出たところで彼女に遭遇、「何故生きているの?」と変なことを言われる。こうしてもめるうち彼を追った彼女は救急車にはねられ、彼は現場を去り、車を借りに病院に父親を訪れる。しかし、車は間もなくガス欠でエンスト、家に戻って彼女が落としたビデオを再生すると、自分と同じ行動をする自分が写っているのに驚く。彼がまた街に出、また出くわしたアンナは救急車に轢かれ、父親の病院へ行く。タイトル通りに彼は時間のループに入ってしまっていたのである。

似ているが同じではない場面に遭遇するうちに勉強し成長した彼は、アンナを守るために、デシューだけでなく時には別の自分とも戦う羽目になる。はっきり言ってよく解らない。通常のタイムループものはリセットされるというのがパターンであるが、本作では最初のアダムは途切れることなく冒険をしている。だから、結果的に別の自分と遭遇し、自分が似ているが別の場面にいることを知っている。彼以外の人物は似ているが別の場面の全く同一の人物にすぎない。彼だけは複数で、それ以外は一人しかいないということである。
 これが、どうも論理的にピンと来ない。リセットしないから主人公がどんどん増えていくこと以外は考えても解らないので深く考えないことにするが、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のリセットしないバージョンみたいな感じである。
 延べでは何人もアダムは出てくるものの、同時に二人を超えるシチュエーションは出てこない。しかし、本作の設定では、厳密に言えば、ループするたびにアダムは増えていく筈である。主人公が同時に何人もの彼自身と会うというのもシュールで面白かったかもしれない。

SF的な部分はともかく、全体の印象としてカフカ的な不条理感がある。そもそも、この作品に出てくる町は、余り現実的な感じがしない。ループする前後で現実的な場面とカフカ的な非現実的感覚の場面とに対立させるという作り方のほうが観客にとって解りやすくはなった。作者に解りやすくしようという意思はなかったと思うし、僕らが見始めた時に主人公はループに入っていたのではないかという気もする。
 いずれにしても、タイムループものとして、前述したトム・クルーズ主演作品のようなものを想像すると全く当てが外れることになる。カフカのような不条理劇と思って見始めた方が良いだろう。

大衆的と言いながら、そうでもなかった・・・

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