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zoom RSS 映画評「手紙は憶えている」

<<   作成日時 : 2017/12/09 10:04   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年カナダ=ドイツ映画 監督アトム・エゴヤン
ネタバレあり

アトム・エゴヤンという監督は人間の嫌な面に注目した作品を作っているが、個人的に面白がりながらも採点的には厳しいものが多いと思う。

舞台はアメリカ。90歳くらいの認知症ユダヤ老人クリストファー・プラマーが老人ホームを抜け出し、アウシュヴィッツ収容時代の仲間マーティン・ランドーの書いた手紙(メモ)に頼って、ルディ・コランダーという名(偽名)を持つ4人のドイツ移民を歴訪し、70年前に家族を皆殺しした男を特定して殺すという任務に出る。

認知症の老人が主人公だから、サスペンスをはらみながらも、のんびりしたロード・ムービーとして進行するが、世評とは真逆にここがなかなか楽しめる。相手が老人となるとアメリカ人もなかなか親切に接してくれるのが解って微笑ましい。僕はかかる微笑ましさが好きである。

ところが、本作の眼目は、認知症をトリックとしたどんでん返しであった。死を目前にした老人にこんな細工を駆使させるところに、ナチス(という存在)がそもそも人間の嫌な部分が最大限に発揮された現象であることを今更ながら強く思わせる。その思いを綿々と後世に伝えようというのが本作が目的であるのだろう。

以下どんでん返しの内容を記すので伏せ字とします。鑑賞済みの方はカーソルを当てドラッグすることで反転させ、お読みください。
 実は、プラマーがその殺されるべき当人である。ランドーは老人ホームで再会した彼が記憶を失っているのを利用して、家族を殺されたユダヤ人と思い込ませ、最終的に一緒に逃げた同僚と会わせる。プラマーはそのショックで相手を殺して自殺する。ランドーは自ら手を下さない二人同時の殺害(プラマーは自殺)を仕組んだわけである。
 実社会ではそう思うようには行かないだろうが、本作の製作目的を考慮し一種の寓話として理解すれば、大した問題ではない。


「国境は燃えている」という昔の映画を思い出させる邦題でした。

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「手紙は憶えている」
「Remember」2015 カナダ/ドイツホームで暮らす90歳のゼヴは認知症で最愛の妻ルースが亡くなったことすら忘れている。ある日、友人のマックスから1通の手紙を手渡される。ゼヴとマックスはアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前共にナチスの兵士に家族を殺されていた。犯人の名前は”ルディ・コランダー”で身分を偽りまだ生きているという。マックスはターゲットとして4人の”ルディ・コランダー”を選んでいた。身体が不自由で車椅子に頼らざるをえないマックスはゼヴに復讐を依頼する…ゼヴ・グットマンに「ト... ...続きを見る
ヨーロッパ映画を観よう!
2017/12/09 20:26
「手紙は憶えている」
監督アトム・エゴヤンという人物は…。いや、私ごときが大上段に構えて「論」をぶつつもりはさらさらないのだけれど、アトム・エゴヤンという人物は、本当に凄い。ホロコースト(ユダヤであれアルメニアであれ)の被虐者の心理を描くのが、凄まじく巧みだ。この作品はネタバレしては絶対にいけない作品なので、詳細は省くが、判ったことは…。被虐者の怨念は永遠に残り、怨讐は留まる事を知らないという事だけは憶えておいた方がいい、ということだ。とはいえ、どういう展開だか少しだけ触れると、とある介護療養施設に入所している年老い... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2017/12/12 12:51

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ロードムービー的な要素と、どんでん返しの対比が強く印象に残りました!
onscreen
URL
2017/12/10 10:16
onscreeenさん、初めまして。

映画としてはそういう特徴がありましたね。

ところで、gooでTB機能が停止になったのは、他のブログを使っているユーザーにも痛いです。映画ブログは益々弱体化していくでしょうね。
オカピー
2017/12/10 21:33

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