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zoom RSS 映画評「ジムノペディに乱れる」

<<   作成日時 : 2017/12/04 09:18   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・行定勲
ネタバレあり

にっかつが昨年28年ぶりに“ロマン・ポルノ”リブート・プロジェクトとして製作した5本中の一本。監督は行定勲。

ベルリン映画祭で評価されたこともある映画監督・板尾創路は、強制心中未遂か何かで重傷を負ったり、そもそもヒットしないことで定評があり、映画学校の講師などもしていたが、久しぶり(?)の映画(ポルノらしい)撮影も女優・岡村いずみがごねて結局はご破算。
 そこに現れた学校時代の教え子・芦名すみれと関係に及ぶと、それがばれて彼女と交際中の男(恐らく教え子)に追いかけまわされる。彼女は先生が気に入っているらしいが、昏睡状態の妻の入院費用捻出の為に古い馴染みの美術担当の女性に借金を申し込む。そうでなくても生計の苦しい彼女は、彼女に結婚を迫っている映画関係者に体を許して金をもらう。
 金を持って病院に出かけた彼は、妻のいる相部屋で、これまた懇ろらしい看護婦と交接する。嫉妬深い妻が嫉妬して目を覚ますように。と、彼女は好きだったエリック・サティの「ジムノペディ」を弾くような手の動きをする。翌日、彼の家にやって来たすみれちゃんがピアノを弾いていると、妻の生霊が現れたらしい(映像なし)。彼は慌てて病院へ駆け出す。その時病院では懸命に蘇生術が施されている・・・ジ・エンド。

ストーリーには書かなかった第一エピソードからシュール。妻のピアノが置いてある部屋から外を見ていると、いつもスリップ姿で洗濯をしている隣の女がいきなり自分の片乳をもみ始めるのだ。
 ここから始まり、病院での交接など極めて非現実的なところが少なくない。この場面における主人公の変な目的意識や妻の反応、開巻時ピアノ部屋の花は全て枯れていたが、最後の同じ部屋は新しい花でいっぱいになっていること、等々。

現実的な場面も多いものの、どうにもシュールで、最初と最後の場面から判断すると、一種の幻想譚であるような気がする。その出鱈目ぶりからコメディーのような印象を覚えるのは、陰湿な内容であるのは確かながら、監督の狙いに案外沿っているのではないだろうか。大真面目な作品と見ない限りは、中盤の大して意味のないジャンプ・ショットの連続などを含めて、それなりに楽しく観られる。

アダルト・ビデオがあり、ポルノ的な一般映画も少なくない現在、ロマン・ポルノを作る積極的な意味を見出せないが、シリーズの監督の一人・園子温は全く同意見だったらしい。
 ロマン・ポルノでは俳優たちは前張りをしていた。当時と同じ条件で作ったというのだから、それも準じているのだろう。従って、裸のシーンにぼかしは必要ない。「俺たちにぼかしはない」だ。

表現に制限があったから工夫をする。ロマン・ポルノ出身に優秀な監督が多いのはそういうことであると思っている。VFX時代の今、表現には限界が殆どない。それが良いのかどうか。

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