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zoom RSS 映画評「胸騒ぎのシチリア」

<<   作成日時 : 2017/12/25 09:38   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年フランス=イタリア合作映画 監督ルカ・グァダニーノ
ネタバレあり

何と「太陽が知っている」(1968年)のリメイクである。
 「太陽が知っている」は「太陽がいっぱい」(1960年)の夢よもう一度とばかりにアラン・ドロンとモーリス・ロネが再共演、劇中ロミー・シュナイダーを巡って争うサスペンスだ。

大物女性ロッカーのティルダ・スウィントンが声帯を痛めて、6年間付き合っている若い恋人マティアス・スーナールツとシチリアで静養中。
 そこへ前の恋人である音楽プロデューサー、レイフ・ファインズが娘ダコタ・ジョンスンを連れて突然やって来る。四人で楽しく過ごすうちに、ファインズの目的が彼女との復縁にあるらしいことが判ってくる。奔放で魔性と言うべき娘は比較的若いスーナールツにモーションをかける。
 この二つの情事が交錯した後の夜、スーナールツはファインズの目的を知って逆上、激しい殴打で死なせてしまう。翌朝プールでファインズが死体で発見され事件になるが、周囲の不法移民騒ぎにより誰も咎められることなく事件は収拾する。

というお話の骨格はほぼオリジナルと同じだが、オリジナルが本格サスペンスだったのに対し、こちらは心理サスペンス寄りの一般ドラマといった趣。
 それはイタリアのルカ・グァダニーノ監督が「ロベルト・ロッセリーニの『ストロンボリ』『イタリア旅行』の要素を加えた」(本人談)ことによるのだろう。お話のけだるい感じは確かに「イタリア旅行」を思い出させるが、ロッセリーニがイングリッド・バーグマンを主演に作った一連の映画を僕は評価していないので、どちらか言えば退屈の方に流れる。

自称22歳実は17歳の娘は復縁に邪魔なスーナールツをたぶらかすために父親が連れてきたような感じがする。実際はどうなのか? この辺り未消化である印象が強く不満が残る。

雨の中、出国しようとする二人を追いかけてきたパトカーから降りてきた署長は実は彼女の大ファン、CDにサインをもらって大喜びで帰っていき、二人は安堵する、という人騒がせな幕切れの扱いを見ても本格サスペンスではなく一般映画として作った狙いが伺われる。

半世紀以上前に映画批評家・故津村秀夫氏が「突然炎のごとく」(1961年)においてジャンヌ・モローが取り合いになるほどの魅力があるとは思えないとした意見には賛同しかねたが、【Yahoo!映画】にあったティルダ・スウィントンに関する同種の意見には頷かざるを得ない。彼女が嵌った時は凄まじいオーラを発揮するが、本作はミスキャストではあるまいか。

印象的なのは、とにかく登場人物がやたらに裸で右往左往すること。確かにシチリアが舞台で「太陽がいっぱい」だけど、過剰ですよ。

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