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zoom RSS 映画評「赤と黒」

<<   作成日時 : 2017/12/17 09:26   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1954年フランス映画 監督クロード・オータン=ララ
ネタバレあり

フランス文学にはご贔屓の作家・作品が多く、スタンダールの「赤と黒」はその代表格。野心的な男の代名詞になったジュリアン・ソレルの名前は映画ファンになったばかりの頃「スクリーン」誌で知り、数年後高校生になり、彼を主人公とする「赤と黒」を陽光浴びる教室で読み始めたと記憶する。そして断然気に入ったのである。映画版はそれから10年くらいして多分始まって間もない衛星放送で観たように思うが、定かではない。

ナポレオンが凋落した頃のフランス、農民の息子ジュリアン・ソレル(ジェラール・フィリップ)は当初の軍人の代わりに聖職者を目指し、司祭を通してレーナル家の家庭教師に雇われる。美しいレーナル夫人(ダニエル・ダリュー)に愛されるが、小間使いの密告で域内に知れ渡った為、神学校に入る。
 聖職者には向いていないとされたソレルは、ラ・モール侯爵の秘書になり、その美しい娘マチルド(アントネッラ・ルアルディ)の高慢さに征服欲を刺激され、娘のほうから靡いてきたのに乗じて結ばれる。
 しかし、父親が前の雇い主レーナル家に問い合わせをしたことから旧悪が発覚、怒ったジュリアンは夫人を撃つ。事件は未遂に終わるが、この事件への反応から却って夫人の愛を確信し、死刑回避のチャンスをも顧みず、死刑台に上る。三日後に夫人も衰弱死する。

短くはない小説を原作とするから3時間を超える長尺でも時々駆け足的になるが、原作のストーリーだけを知りたい分には目的が達成できる出来栄えになっている。少なくとも三十年前の僕は、お気に入りだった原作を読んでさほど経っていない(10年ですがね)時期に観たので、その忠実ぶりにかなり気に入ったのである。元来ご贔屓のジェラール・フィリップと戦前の青春スター、ダニエル・ダリューの典雅な美しさも貢献したのであった。

今回観ると、ジュリアンの心理を内面モノローグで処理するなど努力は感じられるものの、ニュアンスが余り出ていないので、やはりこのお話の真価を知るには原作を読むべきと感じる。クロード・オータン=ララの文芸作品では「肉体の悪魔」(1947年)に及ばない。

本を読まず、読むにしても新しい話題作にしか触れない人が多い昨今、ジュリアン・ソレルと聞いて分かる若者は殆どいないだろう。ドリアン・グレイも知らないのだからね。

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