プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「ある戦争」

<<   作成日時 : 2017/12/11 09:56   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2015年デンマーク=フランス合作映画 監督トビアス・リンホルム
ネタバレあり

トビアス・リンホルムと聞いてもピンと来ないが、「光のほうへ」「偽りなき者」という秀作を書いた脚本家である。特に「偽りなき者」は素晴らしかった。
 ドグマ95系列らしく、人間あるいは人生の複雑な様相を見せるセミ・ドキュメンタリーである。

アフガン、タリバンから民間人を守る平和維持軍デンマーク部隊の隊長ピルー・アスベックは、ある時部下を守ろうと必死になる余り、敵の存在を確認しないまま、民間人地区空爆を要請してしまう。後日これが祖国で問題になり、軍事法廷にかけられることになる。

というお話で、有罪に持って行きたい法務官の意向に反し、裁判官は無罪を言い渡す。この幕切れについて勘違いしている人がいる。欧州に都合の良い幕切れと言うのである。
 実際は違う。欧州に都合の良いのは劇中の判決だけである。映画はこの判決に対してアメリカ大衆映画のように「(主人公が)助かって良かったね」などという安易な態度を示していない。主人公の複雑そうな顔つきがそれを物語る。
 彼には子供3人の育児に苦闘している細君ツヴァ・ノヴォトニーがいる。服役となっては困る彼女から懇願されて少し曖昧な態度を取る。そこへ一人の部下が自分が確認したと証言する。法務官が恐らく考えたように、偽証である可能性が高い。裁判官たちがこれをどう思ったか定かではないが、彼がデンマークの為に懸命に働いたのだという共通意識が強かったことが彼を無罪にしたのだと思う。

本作が示しているのは、法務官の考え、被告側の考えのどちらが正しいか断定することなどできませんよ、ということであろう。ドグマ95系列はこういう結論を出しにくいテーマを扱い、実に大人であると思わせることが多い。いずれにせよ、常識を持っている人なら同じ一つの思いに至るはずだ。つまり、戦争は人を不幸にするということ。

「ある」は勿論、戦争悲劇の普遍性を訴えたいが為に使われている。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「ある戦争」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる