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zoom RSS 映画評「ノスタルジア」

<<   作成日時 : 2017/11/03 08:53   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1983年イタリア=ソ連合作映画 監督アンドレイ・タルコフスキー
ネタバレあり

アンドレイ・タルコフスキーはスウェーデンに亡命し「サクリファイス」(1986年)を作って映画作家としての頂点に達したと思ったら、呆気なく死んでしまった。本作はその3年前、祖国ソ連を脱出しながら未だ亡命はせず、イタリアで作った第二の代表作である。

奴隷にされると知りながらイタリアから舞い戻った後祖国で死んだロシアの音楽家サスノフスキーの伝記を書くために、詩人ゴルチャロフ(オリェグ・ヤンコフスキー)が通訳の女性ユージェニア(ドミツィア・ジョルダーノ)と共に、音楽家にゆかりのあるトスカナ地方を訪れる。
 ゴルチャロフの思いは絶えず故国に残してきた妻と子供へと向かう。周辺を彷徨するうちに「世界は滅びようとしているがまだ救われる」と説く狂信者ドメニコ(エルランド・ヨセフソン)と知り合い、彼が広場で説教をした後焼身自殺をする頃、彼に頼まれた「ロウソクを灯しながら温泉広場を渡る」願いを実行に移そうとするが、風と本人の体調によりなかなかうまく行かない。

タルコフスキーは理解に難渋する作家で、この作品についても二回目ながらまだまだ理解が覚束ない。30年位前の初回より理解が落ちたかもしれない。連続して3回くらい観れば理解できそうな気がする。しかし、現状ではなかなか時間が許さないので、現段階での理解では☆★を抑えておかなければならない。

それでも魅力は満載である。映像的には、横の構図を生かした移動撮影が断然の魅力である。時にその狭間に挿入される縦の構図も見事と言うしかない。

内容面では、故国にいる妻子への思いの絶えぬゴルチャロフが同じイタリアにおいて帰国の決心をするサスノフスキーと重なり、それがさらに亡命を検討していたであろうタルコフスキー自身に重なる。一種私小説的に作家の内面に迫っていく感じである。じっくりと撮った画面に乗せられて、感動が呼び起こされる。お話の構図は案外解りやすいのかもしれない。

それなら何故解りにくく感じられるのだろうか? パスカルが「パンセ」の中で言った「人はあまり早く読むか、あまりゆっくり読むときは、何ごとも理解できない」、これなのかもしれない。じっくりすぎることが理解を阻害するのではあるまいか。

我々凡俗の徒には、余りに内省的すぎるのですな。

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