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zoom RSS 映画評「オケ老人!」

<<   作成日時 : 2017/11/26 09:39   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・細川徹
ネタバレあり

荒木源の小説を細川徹という監督が映画化したアマチュア・オーケストラもの(そんな分類があるか知りませんが)。

高校の数学教師・杏が、地方アマチュア交響楽団の演奏に感激、“昔取った杵柄”のバイオリン奏者として応募すると試験もなしにあっさり採用される。ところが、彼女が応募したのは名前の少し違う老人だけの交響楽団と判明、やがて病に倒れる笹野高史の代わって指揮者になるこちらに所属しながら、“本物”にも応募してオーディションの末に辛うじて採用される。しかし、フランスの有名な指揮者(フィリップ・エマール)が“本物”の方を指揮するため来日するに及んでひどい仕打ちを受ける。
 ところが、その指揮者が笹野の経営する電気店に現れ思い出のあるラジ・カセを修理してもらうと、老人の人生観に影響を受けて“本物”の指揮をキャンセル、老人オーケストラの為に一肌を脱ぐことに。それに押されて、彼女もこちらの指揮者に専念することになる。

開巻後1時間(丁度半分くらい)までは一月半前に観たブラジル映画「ストリート・オーケストラ」(2015年)とほぼ同じお話。あちらも新人交響楽団員と素人オーケストラの指導者としての二足の草鞋を履く話であった。こちらは数学教師の仕事もあるので厳密には三足の草鞋でござる。しかもコメディー仕立てだからフランス映画「オーケストラ!」(2009年)やその影響下にあるような邦画「マエストロ!」(2015年)の気分に近い。

という具合に、新味が薄く、かつお話として型通りに推移するので、大衆映画として一応退屈させないレベルにあるとは思うが、映画技術的に全く面白くないのである。
 しかるに、かなり細かいところで、水道を止めるのを忘れた認知症気味の老婦人が杏が緊張の余り止めるのを忘れた水道を止める挿話などはさりげなく味がある。笹野の「壊れて捨てられた製品からいざという時の為に生きている部品を取っておくのだ」という言葉が、“本物”から切り捨てられたヒロインが老人オケに専念する気になるのと重なるのも上手い。老人たちにも敷衍して当てはめたくなる言葉だ。

反面、彼女が「老人たちが彼女のやる気を起こさせた」と言えば、老人たちが「彼女が老人たちを励ましたのだ」と応え、互いを認め合う辺りは余りに直球すぎて少々臭く、この辺りの匂いならぬ臭いが全体を覆う。もう少しそこはかとないほうが品の良い作品になったと思う。

笹野の孫役・黒島結菜が大活躍。最近目立ち始めた杉咲花からエキセントリックな部分を取り去った感じの若手で、注目していいかもしれない。

オーケストラ映画には何故か「!」がつきもの。まあ、タクトに見えないこともない。

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オケ老人!★★★
「ちょんまげぷりん」「探検隊の栄光」などで知られる人気作家、荒木源の小説を基にした音楽ドラマ。老人ばかりのアマチュアオーケストラに入団してしまった女性が、ライバル楽団との対立などを通して音楽の素晴らしさをかみしめる。メガホンを取るのは、コントユニット「男子はだまってなさいよ!」を率いる演出家・脚本家で、映画監督としても『ぱいかじ南海作戦』などを手掛けてきた細川徹。個性あふれるオーケストラ団員とヒロインのコミカルなやりとりに加え、全編にわたって響き渡るクラシックの名曲にも注目。 あらすじ:バイオリ... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2017/11/26 20:43

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