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zoom RSS 映画評「高慢と偏見とゾンビ」

<<   作成日時 : 2017/11/02 10:00   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年アメリカ=イギリス合作映画 監督バー・スティアーズ
ネタバレあり

数年前から原則的にゾンビ映画はご遠慮申し上げているが、これは何度か映像化もされているジェーン・オースティンの古典「高慢と偏見」のパロディーと思われたので、怖いもの見たさで観た。

上流の未婚女性が生きていくのが大変だった18世紀末英国、ベネット夫人は次女エリザベス(リリー・ジェームズ)と長女ジェーン(ベラ・ヒースコート)を有望な男性と何とか結婚させるべく、越してきた資産家ビングリー(ダグラス・ブース)に目を向ける。彼は長女の婿候補で、次女にはコリンズ牧師(マット・スミス)辺りを考えているが、これにビングリーの友人の資産家ダーシー(サム・ライリー)とダーシーに恨みを抱くウィカム(ジャック・ヒューストン)が絡んでくる。

という骨格となるお話が、本ブログでも映画版二作を紹介しているオースティン作にほぼ忠実なのが面白い。恋愛部分の話を維持したまま、重要人物たちが謎の病原菌により蔓延したゾンビと対決するホラー・アクションの要素を過剰にならない程度に上手く絡めているため、ゾンビ映画を敬遠している僕のような映画ファンにこそ楽しめる。
 逆に言えば、コアなゾンビ映画ファンには受けないと思われるが、こういうハイブリッド映画を本格ゾンビ映画と同じように作っても芸がないだろう。

ゾンビものとしての工夫としては、人間の脳を食わせなければそれ以上人間を求めない、ゾンビ化するのに時間がかかり判別しにくい、判別するのに活躍するのが死肉蠅、といった設定があり、ダーシーと反目するエリザベスがダーシーの監視する中で通常の病気に倒れたジェーンに蠅をたからさせないように次々と掴まえる辺りの可笑しさに繋がっていて効果を発揮している。
 このすっとぼけた感じが全編を覆っている。つまり、ゾンビと戦う絶望的な世界にも拘わらずその当事者たる男女が恋愛に悩んでいるというちぐはぐさがニヤニヤさせるという具合。

ゾンビとの対決に備えて日本や中国の武道を学んでいるという設定も、現在における日本や中国からの英米への文化的影響を反映しているようでなかなか興味深い。そう考えると、ゾンビは移民・難民のメタファーとして配置されている可能性もあるわけで、それを以って高く評価するには及ばないにしても、全体として面白く観られる所以でござる。

ゾンビは一ジャンルを形成した感があり、だから多様性が出てきている。とは言え、棺桶に半分足を突っ込んでいる僕ら以上の世代が見るジャンルではないですな。

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高慢と偏見とゾンビ ★★★・5
ジェーン・オースティンの古典『高慢と偏見』をベースに、原文をほぼそのまま用いつつ、内容を過激なゾンビ・アクションに改変して話題を集めたセス・グレアム=スミスの同名マッシュアップ小説を「シンデレラ」のリリー・ジェームズ主演で実写映画化。18世紀末のイギリスを舞台に、結婚への葛藤と恋のすれ違いに胸を焦がしながらも、増え続けるゾンビに立ち向かっていくヒロインの運命を描く。共演はサム・ライリー、ジャック・ヒューストン、ベラ・ヒースコート、チャールズ・ダンス、レナ・ヘディ。監督は「セブンティーン・アゲイン... ...続きを見る
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