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zoom RSS 映画評「われらが背きし者」

<<   作成日時 : 2017/09/30 09:13   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年イギリス=フランス合作映画 監督スザンナ・ホワイト
ネタバレあり

原題を直訳すれば「われらのような裏切り者」という感じだが、邦題は文法に詳しい人には意味不明である。
 「背きし」という文語を使っている以上その前の「われらが」も文語でなければならず、すると「われらが裏切り者」の意味となる。「われらが親分」「われらが同志」といった一般的な表現を考えると、ちと変であろう。
 そこで「われらが」を「背きし」の主語と考えるわけだが、文語(本来は口語でも)で連体形を修飾する時の主語を表す格助詞は「が」ではなく「の」である。従って、その意味なら「われら背きし者」とならなければならない。
 どちらの意味にしても日本語としておかしい邦題である。格好をつけて文語「背きし」を使うからそんな羽目になる。

閑話休題。
 スパイ小説の専門家ジョン・ル・カレの同名小説の映画化というのがお楽しみとなる作品だが、ル・カレとしてはお話の構図が単純な部類。

夫婦関係の修復にモロッコを訪れた英国人インテリ夫婦の夫ユアン・マクレガーが、親しくなったロシアン・マフィアの幹部でマネー・ロンダリング担当のステラン・スカルスゴードから、組織の映像情報の入ったUSBを英国情報部MI6に渡してくれと頼まれる。
 MI6の幹部捜査官ダミアン・ルイスは頼みにした議員の協力を得られず限られた人数で対応するしかないので、マクレガーとその妻ナオミ・ハリスに協力するよう要請、英国の有力議員とマフィアとの関係を示す口座情報を得ようと一緒にスカルスゴードに接触する。
 マクレガーは、それ以上の活躍は必要ないのに、スカルスゴードの家族を守ろうとする必死な気持ちを知って引き返せなくなる。

ル・カレであるから、例によって実際的な地味なお話であるが、これでも「寒い国から帰ったスパイ」(1966年)等に比べると派手に見える。ル・カレとしては、ヒッチコック御大の「知りすぎていた男」(1956年)を意識しただろうか。あの作品でもモロッコにやって来た夫婦が外国人により思いがけぬ事件に巻き込まれるのだ。

映画版は、監督が女性のスザンナ・ホワイトということもあってか、スパイものとしては人情過多である。スパイものとしてより、スカルスゴードの家族を思う必死さにマクレガーがほだされる心理部分が印象に残るくらいだ。そして、スカルスゴードという虎は死して皮でも名でもなく証拠を残す。考え方によっては大いに泣けるという具合。

古い拳銃を使った幕切れが洒落ていて、最初のシーンから出て来るこの拳銃は狂言回しとしてもなかなか上手く機能している。結果が結果だから良かったが、そうならずば、本当に怖いのはロシアン・マフィアでなく善良な顔を被った国会議員さんたちということになる。

国会議員が怖いと言えば、北朝鮮が色々と挑発しているのは、安倍氏から頼まれて支援しているのではないか。この騒ぎに乗じて「もりかけ問題」を隠し、(仮想敵国を中国とした)軍事的強化に絡むことが色々できる。殆ど冗談だが、半島二国出身者と仲が良いのは公然の秘密だから、100%ないとも言い切れない。

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「われらが背きし者」
「裏切りのサーカス」の原作者ジョン・ル・カルの作品をスザンナ・ホワイト監督が映画化。MI6絡みも含めて「裏切りのサーカス」にテイストが似ていなくもないが、かの作品より人間味がある作品になっている。高級シャトー・ブルゴーニュワインに始まり、庶民のシングルモルトでエンドロールを迎える。大人の夜に相応しい作品。大学で詩を教えているペリー(ユアン・マグレガー)と弁護士のヴィル(ナオミ・ハリス)は、結婚10年目にしてペリーの教え子との浮気が原因でどこかちぐはぐな関係になってしまっている。関係を立て直すこと... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2017/10/02 17:53
われらが背きし者★★・5
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パピとママ映画のblog
2017/10/02 20:33
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日記:2017年11月某日 映画「われらが背きし者」を見る. 2016年.監督:スザンナ・ホワイト. 出演:ユアン・マクレガー(ペリー),ステラン・スカルスガルド(ディマ),ダミアン・ルイス(ヘクター ...続きを見る
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2017/11/14 12:06

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