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zoom RSS 映画評「シング・ストリート 未来へのうた」

<<   作成日時 : 2017/09/23 10:06   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2016年アイルランド=イギリス=アメリカ合作映画 監督ジョン・カーニー
ネタバレあり

ONCE ダブリンの街角で」は断然の秀作、「はじまりのうた」もなかなか見応えがあったジョン・カーニーの作品で、今回もまた音楽絡みである。

1985年のアイルランド、14歳のファーディア・ウゥルシュ=ピーロは、不況で両親の仕事が思わしくないために、上品な私立学校から不良の多いキリスト教系(多分公立)学校に転校させられ、校則にうるさい校長に理不尽な苦労をさせられるが、郊外にいた少女ルーシー・ボーイントンに惹かれ、口から出まかせに「ミュージック・ビデオに出演しないか」と声をかけたため、本当にビデオを撮影することになる。
 かくして、元々音楽に興味があって詩作の得意な少年は、大学を辞めて引きこもり的になっているロック通の兄ジャック・レイナーの指南を仰ぎ、楽器は何でもこなせ作曲の能力もあるマーク・マッケンナらを加えてバンドを結成、ビデオ撮影に挑む。最初は下手糞だが、撮影は結構本格的で、やがて音楽の質も向上していく。

1985年と言えば、僕は既に社会人で、聴く音楽は1960年代から70年代前半くらいまでのロックが多かった。その為本作で最初に出てくるデュラン・デュランなどは知っているが、キュアーやデペッシュ・モードあたりになるとバンド名と曲がしっかり結びつかない。それでも、少年が兄から薦められたバンドの影響をそのまま受け、最初はデュラン・デュランの「リオ」そっくり、メッセージ色の強いニューウェーヴ・ロックを経て、今度はブルーアイド・ソウル系ホール&オーツ「マンイーター」を戴いていることくらいは解り、その度に大いに笑わせてもらった。「マンイーター」自体がベースラインをシュープリームス「恋はあせらず」から戴いているわけだが。
 兄は「コピー(ここでは他人の曲を演奏すること)はダメだ」と言いながら、弟に他人の曲をほぼそのまま拝借させている辺り五十歩百歩だが、文化は他人から色々と戴き、ごちゃ混ぜにした上で再構築して進歩するものだから、その道は決して間違っていない。

かくして少年にとって音楽での成功が一通りの目標になるけれども、依然ルーシーが最終的に自分に寄り添ってくれることもまた目標であり、それを実現するに避けられないロンドンを目指す決心をする。

個人的に使われた音楽を楽しむには世代が少し違うのだが、それでもこの手の音楽を使って少年の成長ぶりを描く青春映画は好みではあり、それを淀みなくリズム良く展開している為大いに楽しめる。構図的に「小さな恋のメロディ」と似ているが、あちらが映画自体がミュージック・クリップのようだったのに対し、こちらはミュージック・クリップが映画の重要要素である。時代背景の違いを感じる次第。秀作と言うべし。

アイルランドは英国に似た雰囲気と文化を持つ国だが、国民自体はかつての宗主国・英国ではなくスペインに親和性を感じているらしい。でも、目指すのは英国。韓国と日本の関係みたいなものか?

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シング・ストリート 未来へのうた ★★★・5
「ONCE ダブリンの街角で」「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督が、自身の少年時代の体験をベースに撮り上げた音楽青春映画。80年代のアイルランドを舞台に、学校にも家庭にも様々な問題を抱え、悩み多き日々を送る14歳の少年が、愛しの彼女を振り向かせようと... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2017/09/23 21:21

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