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zoom RSS 映画評「ボクの妻と結婚してください。」

<<   作成日時 : 2017/09/18 09:12   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・三宅喜重
ネタバレあり

興味をそそるタイトルなので、観てみた。「何と」と言うか、「案の定」と言うべきか、死病映画であった。劇映画の世界では中年男性を死病映画の主人公にするのは比較的少ないので、同じ死病映画でも「またまた」感は薄い。

末期のすい臓がんを患っていると知らされた売れっ子放送作家・織田裕二が、小学5年生の息子と共に残す最愛の妻・吉田羊のことが気になって、自ら自分の死後の再婚相手を誂えようとする。その為に仲介するのが知人の結婚相談所社長・高島礼子で、インテリア・デザイナー原田泰造を見つけ出す。社員のふりをして彼と会った織田氏はすっかり気に入って、浮気を偽装してまで離婚を工作するが、やがて真相が関係者全員に発覚、その為に一度は全てご破算になりかける。しかし、原田氏が思い直し、ここに交際が始まる。

大人のおとぎ話である、というより、夫婦の愛情交換の寓話である。「ありえない話」で結構、あり得る話では寓話にならない。
 
しかるに、織田君が頭の良い細君に結婚相手を探し、彼女が幸福になる・・・という物語では夫婦の愛情は一方通行になる。夫のエゴに終わる。そこで作者(原作:樋口卓治、脚色:金子ありさ)は「賢者の贈り物」を書いた時のオー・ヘンリーばりに細工を施した。彼が望むように二人は結婚までこぎつける、勿論彼の生存中は結婚が出来ないから結婚式の真似事を見せる。しかし、これは細君が頭を下げて原田氏に協力してもらった偽装であった・・・と種明かしをする。つまり、細君はここまでの愛情を捧げる夫君を満足させるように、贈られたものと同じ種類の愛情で応えるのだ。よって、夫婦の愛情交換の寓話ということになる。

結婚して天国の夫君に報告する形で終わったほうが良かった、という【Yahoo!映画】における意見には頷けるところがあるが、織田君のこの献身ぶりを見れば、彼女が彼以上に満足できる男性を見つけ出せるとも思えない。原田氏もそれは理解していたはず。やはり、夫婦の愛情交換の寓話にして正解だったのである。

とは言っても、小手先の感動物語であるという印象は否定できず、個人的にさほど買っているわけではない。死を軽く扱っても構わないが、映画的な手応えがないのはオールド・ファンとしては困るのである。今は映画的な映画など、数十本に一本しかない。それこそ泣けてくる。

結婚して何十年も経っても仲の良い夫婦がいる。きっと彼らは「足るを知」っているのだ。互いに足るを知る境地に至れば、現在仲の悪い夫婦のうち9割は仲良くなれるだろう。

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ボクの妻と結婚してください。★★★
TVドラマ化もされた売れっ子放送作家・樋口卓治の同名ベストセラー小説を織田裕二主演で映画化した感涙ラブ・ストーリー。余命宣告を受けた敏腕放送作家が、最愛の家族のために、妻の結婚相手を探す人生最後の“企画”に奔走する姿を描く。共演は吉田羊、原田泰造。監督は... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2017/09/18 15:06

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