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zoom RSS 映画評「ジェームズ・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜」

<<   作成日時 : 2017/08/06 09:34   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年アメリカ=イギリス合作映画 監督テイト・テイラー
ネタバレあり

二日続けての音楽家伝記映画。個人的には昨日のハンク・ウィリアムズのほうが興味があるが、作品としては時系列操作以外はオーソドックスな構成のこちらのほうが面白い。

暴力的な父親から逃げた母親(ヴィオラ・デーヴィス)に置いてきぼりにされた少年のジェームズ・ブラウンは、伯母のもとに送られ、そこで働くうちに不良化して教護院に収監され、慰問にやってきた信心深い若者ボビー・バード(ネルサン・エリス)に感化されて、組んで音楽に邁進、ボビーを含む数名のメンバーでゴスペル・グループを組むが、実力が抜きんでた彼がやがてグループをリードし、メンバーはバック・コーラスになっていく。
 ボビーだけがついてくるが、音楽に関して一家言あり自信もある彼はどうしても他のメンバーとの間に不協和音を生ずる傾向があり、アメリカ有数のアーティストとなった後最良のメンバーもいつかず、為に情緒不安定になっていく。1980年代には精神が錯乱気味になり、マシンガンを発射して警察に追われ、服役もする始末。音楽的な栄光はその後も続き、2006年に73歳で亡くなる。

といった生涯があまたの有名な曲に彩られて紹介される、昨今の伝記映画の中では珍しくクラシックな、エピソード羅列型に近い構成で、一番最初の晩年に近いエピソードが象徴するように情緒不安定な彼の性格を見せることを基調にして進行している。彼の態度を見るとどうも薬物も相当やっていたようだが、映画はそうした外的要素を他のアーティストの伝記映画ほどには見せない為、実際には彼の性格がよく解らないまま終わる感じである。ハンク・ウィリアムズほどではないにしても好色漢らしく、その辺の描写もあるにはあるがなまなかな感じ。
 いくつかの時系列をサンドウィッチにした場面の繋ぎにぎこちないところもあるが、彼の荒れた人生そのものはなかなか面白く観られる。

一番有名な曲は、日本では「ゲット・アップ(ゲロッパ)/セックス・マシーン」だが、アメリカでは多分映画でもよく使われる「アイ・ガット・ユー」だろう。続いて「マンズ・マンズ・ワールド」か。
 「アイ・ガット・ユー」辺りから本格的になってきたファンキーなサウンドが上手く結実したのが「ゲット・アップ」で、ブラウンがファンキーな黒人音楽を生み出した一番の功績者と言って間違いないだろう。しかし、そのせいであれほど美しいメロディーとリズミカルさとが並存する楽曲でR&Bファンを楽しませてくれたモータウンも1970年代にそちらに流れて、個人的にはつまらなくなったと思っているのだが。

成人後のブラウンを演じているのはチャドウィック・ボーズマン。

亡くなっていたのをすっかり忘れていたよ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
実際、個人的に苦手だったジェームズ・ブラウン
でしたが、本作にて少々その意識が薄れた効果が
あり、彼の優れた音楽性を改めてかいま見れた感は
ありましたが、のし上がって来た人間の奢りや
卑しさ表現に新味が見られずちょっと残念だったかも。
vivajiji
URL
2017/08/06 18:28
vivajijiさん、こんにちは。

>苦手
僕も、R&B好きですが、同時代では専らモータウン贔屓なので、ファンキーなブラウンはそれほど好んでは聴かなったですね。

>人間の奢りや卑しさ表現に新味が見られず
エピソードの羅列に近い作り方に終わり、彼の人間性については皮相的だったような気がしました。
オカピー
2017/08/07 00:02

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