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zoom RSS 映画評「イースター・パレード」

<<   作成日時 : 2017/07/29 10:13   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1948年アメリカ映画 監督チャールズ・ウォルターズ
ネタバレあり

21世紀になってちょっとミュージカルが復興気味で、にわかミュージカル・ファンは増えたようだが、僕のように古いミュージカルにまで手を伸ばす本格ファンは少ない模様。僕はトーキー初期からら50年代初めまでのミュージカルは殆ど観ていて、本作も大分以前に一度観ている。
 ミュージカルがそれらしかったのはMGMが盛んに作っていた1950年代前半までで、それ以降のミュージカルはお話に意味を持たせるタイプが増え、それと共にミュージカルは減っていくのである。
 戦前のミュージカルは戦後より質が高いのだが、大半がモノクロなのでその華やかさが伝わりにくく、戦後ミュージカルは殆どカラーで作られるようになって華美さが増した。本作はMGMの戦後ミュージカル有数の作品である。個人的には、監督のチャールズ・ウォルターズは、どちらかと言えば、キレがないというイメージが強いが、本作は素晴らしい。

有名なダンサー、フレッド・アステアは、ペアを組むアン・ミラーがジーグフェルド・フォリーズの主役に抜擢されて独立した為に自棄になり、酒場で歌っていたジュディー・ガーランドに声をかけてペアを組むことにするが、彼女が文字通り右と左の区別もつかない為四苦八苦する。やがて、洗練されたアンの模倣をさせても彼女を超えられないと気づき方向を庶民スタイルに変えると人気を博する。

アステアとジュディーとアンの三角関係の行方を絡ませて進行するお話は、MGMミュージカルの例に洩れず他愛ないが、見せ場が豊富で実に楽しい作品になっている。

開巻直後のぬいぐるみをめぐりドラムを打ちながら踊るナンバー(ドラム・クレイジー)から楽しいが、断然ご機嫌になるのは開巻後1時間くらいからで、まずご贔屓のアン・ミラーのタップが本格的に観られる(シェイキング・ザ・ブルー・アウェイ)。
 続いて、アステアが美人ダンサーたちと次々と踊った後見せるナンバー“ステッピング・アウト・ウィズ・マイ・ベイビー”が技術的に驚かせる。バックのダンサーをリアル・スピードにし前に踊るアステアをスローで見せるのである。鮮やかな合成で、1948年にこの着想自体が素晴らしい。これに続くのが、アステアとジュディーがルンペンに扮する有名な“ア・カップル・オブ・スウェル”。楽しさ満点だ。
 この後に出て来るのが、いかにもジーグフェルド・フォリーズらしい趣向の“ザ・ガール・オン・ザ・マガジン・カヴァー”。一種の額縁ショーの趣向で、雑誌の表紙に模した枠の中に収められた女性たちに続いて最後にアンが出て来る。戦前のレビューにはこういうのがよくあったが、やはり美しいテクニカラーで見せられるのが正に眼福と言うべし。

アステアのアイデア満載のタップとダンス、ジュディーの歌、アンの正確で優雅なダンスを見たり聴いたりすればミュージカル・ファンなら間違いなくご機嫌になる。カラーを生かした衣装も大いによろしい。

お菓子屋か何かに乗せられて日本でも恰好だけのハロウィンが流行っているが、さすがにイースターはまだそこまでは行っていない様子ですな。

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