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zoom RSS 映画評「太陽のめざめ」

<<   作成日時 : 2017/07/19 11:06   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年フランス映画 監督エマニュエル・ベルコ
ネタバレあり

英国ならケン・ローチが扱いそうな下層階級を扱った内容で、隣国のダルデンヌ兄弟のようなドキュメンタリー・タッチ。どちらにしても、セミ・ドキュメンタリーである。

女性判事カトリーヌ・ドヌーヴが、6歳の時に育児放棄された少年ロッド・パラドと10年ぶりに再会し、彼が相変わらず乱れた生活を送っている母親サラ・フォレスティエとの生活により、案の定荒んでしまったことを知る。彼女は極力自由度の高い施設に送ろうとするが、少年は彼女や教育係ブノワ・マジメルの必死の努力と思いを顧みることなく、甚だ怒りやすく反抗的で無軌道、遂に刑務所送りになる。が、少年は出会ったばかりの恋人ディアール・ルクセルが妊娠したことを知り、徐々に心理を変えていく。

人間性には善悪があるが、それより重要なのは強いか弱いかである。多少悪くても強い人間は自分を抑えるから犯罪を起こすことはない。良い人間でも弱い人間は不幸な人生を送ることが多い。
 本作の主人公たる少年に、僕は善性を感じるのだが、とにかく弱い。刑務所に入って「ママ」などと言う甘えん坊である。素晴らしい判事や教育係が尽力しても変わらなかった彼を変えるのは何か。親になることの難しさ、大人であることの難しさ、それを知ることである。それを知ることが却って親である自覚を生む。
 勿論生涯ダメ親、ダメ大人である人もいるが、本作の主人公は善性を持っていて、それを親である自覚を持つことで弱さを克服し、沈んでいた善性が浮上して来る。親である自覚、大人である自覚を持つことの大事さをよく感じさせる内容となっている。妊婦がよく出てくるのはその表現の一環である。

僕は、この少年の本性(ほんしょう)を嫌悪しないが、ただいつまで経っても彼が変わらず、それを119分間も見せられてイライラした、とは言わなければならない。悪い作品ではないものの、そうした不満が残る。初めて見る、女性監督エマニュエル・ベルコの作品。

見かけは爺でも、心の中は18歳くらいのままで、まるで進歩していない。そのギャップが恐ろしい。吾輩のことじゃよ。

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太陽のめざめ
フランス・パリ。 2ヶ月学校へ行っていない6歳の少年マロニーは、母親と共に裁判所に呼び出され、女性判事フローランスから事情を聞かれることに。 …10年後、問題を起こしてばかりのマロニーを再び担当することになったフローランスは、彼を少年院ではなく更生施設へ送り、新しい教育係にヤンを選任する。 施設の指導員やヤンに励まされ、マロニーの表情も変わっていくが…。 青春ドラマ。 ≪愛とは、見捨てないこと。≫ ...続きを見る
象のロケット
2017/08/04 14:37

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