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zoom RSS 映画評「ティエリー・トグルドーの憂鬱」

<<   作成日時 : 2017/06/07 09:04   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年フランス映画 監督ステファヌ・ブリゼ
ネタバレあり

ステファヌ・ブリゼという監督は元々セミ・ドキュメンタリー・タッチの作風だが、本作はその中でも一番ドキュメンタリーに近い。フルショットやミディアムショットくらいのサイズを多用し、人物ドキュメント映画のように主人公ティエリー・トグルドー(ヴァンサン・ランドン)を追う。

妻と障碍者の息子を抱えた失業中の彼は、再就職センターの指示に従って訓練をしたものの、再就職に全く役に立たないことにいら立つ。面接での対応も訓練する。財政的な支援を受けるにも再就職は必要で、何とかスーパーの監視人の仕事を得る。ところが、買い物客の万引きやレジ係の不正を発見して処理する仕事に憂鬱になってしまう。

というお話は、世界の先進国が迎えている状況を普遍的に捉えている。今欧米のセミ・ドキュメンタリー型映画の扱うテーマは、移民の問題か、国民間の経済格差、この二つにほぼ絞られる。外国ではこの二つが一体になることも多い。つまり、政策は問題だらけながらトランプ大統領は世界的なテーマを理解していることになる。

それでは、主人公は何故憂鬱になるのか。映画はティエリーしか描いていないので、事実か否か全く解らないのだが、万引きをするお客もお客用のクーポンを掠めたりポイントを不正取得するレジ係もその日の生活に汲々としている。全く同じ立場の彼は、経営者の立場で彼らを見ることができないのである。
 特にレジ係の不正は取るに足りないもので、その為に首になった一人が自殺してしまうのを見れば、憂鬱になるしかあるまい。結局彼は仕事中にスーパーを後にしてしまうわけで、庶民の生きる辛さがこれでもかと迫ってくる。

リタイアした後の自分の経験を踏まえて考えるに、ディテイルに違いがあっても、日本の経済弱者が抱えている事情に大差はあるまい。胸がつまる思いがする。

ただ、余りにドキュメンタリー的なので、劇映画として一定以上の興味を持つのは難しい。

トランプ大統領はロシア疑惑が浮かび上がった当初報道したメディアを「フェイク」呼ばわりしたが、FBIが捜査している現実を見ればメディアが嘘を言っていなかったことが解る。数年後トランプは映画の俎上に乗るだろう。

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