プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「サイレント・ランニング」

<<   作成日時 : 2017/06/30 08:58   >>

ナイス ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 4

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1972年アメリカ映画 監督ダグラス・トランブル
ネタバレあり

日本で劇場公開される前にTVで見て大変気に入った宇宙SFである。今回、見終えた時、本作はかの傑作アニメ「ウォーリー」(2008年)の親戚みたいな作品と言って良いような気がした。

地球の緑が絶滅しつつある未来、4人の人間が宇宙基地で緑化プロジェクトの為に働いている。ある時本部からプロジェクトを止め、基地を爆破した後帰還せよという命令が下る。この中で特にプロジェクトに思い入れのある生物学者(?)ブルース・ダーンが命令に従わず、他の3人を殺し、その代わりとなる3体のロボット(ドローンと呼ばれる)と共に仕事を継続するが、ロボットが壊れるなどの憂き目にあって絶望感に襲われ、そのうちの一体を植物地区に残して切り離すと、自らと共に基地を爆発させる。

この後ドローンが植物に水をくれているところで終わるのだが、感情もありそうなこのロボットが主人ダーンに命じられたのを忠実に守り、一人寂しく植物に水をくれている幕切れが抜群で、個人的に本作はこれに尽きるという感じがする。背景に流れるジョーン・バエズの物悲しい歌声がその寂寥を増幅して断然優秀。彼女は同じ年に「死刑台のメロディ」の主題歌も歌っていたっけ。
 この幕切れに「ウォーリー」の寂寥に通底するものがあるのである。また、かの作品で相手役イーヴは植物を持ち帰るのが役目であり、それが地球への帰還の合図となっていたように、本作と関連させたくなるところが多い。

本作のロボットは冴えない旧型デザインという感じだが、手足が人間のようになっていて(実際人間が中に入っているらしい)頗る愛くるしい。

決してコストはかかっていないものの、特殊効果は監督ダグラス・トランブルが視覚効果出身ということもあってVFXがない時代に非常に頑張っている。若い人たちはこういうのに触れると、またぞろ「しょぼい」とか言うのだろうが、僕ら爺いはいかにも本物っぽいが実は絵に過ぎないCGよりこういう実写映像にこそ強い印象を覚えるのだ。

「ウォーリー」の作者たちが本作を参考にした可能性はかなり高いと見る。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
ナイス ナイス

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
映画評「パッセンジャー」(2016年)
☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2016年アメリカ映画 監督モーテン・ティルダム ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2017/12/08 08:59

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
これは、昔、テレビでやっているのをVHSテープで録画しました。
たぶんダンボールにいれて押入れにはいていると思いますが・・・・
たぶん、いや確実にカビがはえているでしょうね。

参考・・・・たぶんそうでしょうね。
アニメや映画にかかわる人はマニヤックな人が多いですからね。
日本の戦隊物のアメリカ版が作られたみたいですしね。
ねこのひげ
2017/07/01 03:10
ねこのひげさん、こんにちは。

僕も録画したと思いますが、残っていないところを見ると見終わった後消してしまったのでしょう。気に入ったのに変ですが。
無数にあったビデオは、両親の死後、大半をブルーレイに移して処分しました。まだ一部残っていますが、面倒くさくなりましたよ。

「ウォーリー」を観た時は本作を全く思い出しませんでしたが、逆にこちらを再鑑賞して「ウォーリー」を思い出しましたね。

>戦隊物
「トランスフォーマー」は原案が日本ですから当たり前ですが、それでも日本のこうしたものがアメリカで作られること自体が面白いです。
オカピー
2017/07/01 22:52
>旧型デザインという感じだが

私もこのころの特撮ものが好きですね。テレビで見た子供の頃を思い出してなつかしいというのもありますが、見てて夢がもてるというか、こちらがわの想像力が賦活させられるのですね。70年代前半までのいかにもお芝居やってるかんじの特撮のほうが観ていて楽しいです。
撮ってる人たちにしてみれば、当時の最先端技術でできるだけ本物らしく見えるようにしていたということで、彼らが今撮るとすればCGを使うのかなあとは思いますが。
nessko
URL
2017/07/02 14:49
nesskoさん、こんにちは。

古いと言われればそれまでですが、特撮の手作り感が、映画全体の手作り感と重なる、昔の映画が断然良いですね。仰るように、夢があるというのも強い。

>今撮るとすれば
あるドキュメンタリー映画の同様の質問に対して、ハリーハウゼンは「CGは使わない」と宣言していますが、CGを使うと答えた方が多数派だったように思います。
オカピー
2017/07/02 22:37

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「サイレント・ランニング」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる