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zoom RSS 映画評「最高の花婿」

<<   作成日時 : 2017/06/28 09:15   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年フランス映画 監督フィリップ・ド・シューヴロン
ネタバレあり

フランス人は日本人とは映画観が違う。何でもない喜劇がヒットする。昔「ハンカチのご用意を」という作品が記録的な大ヒットをしたと聞いたので楽しみに見たが、まるでピンと来なかった。本作のお話は単純で、以下の如し。

典型的な中流階級のクリスチャン・クラヴィエと妻シャンタル・ロビーは、三人の娘がアラブ人(イスラム教)、ユダヤ人(ユダヤ教)、中国人(仏教?)と結婚したのが内心面白くない。4番目の娘エロディ・フォンタンから結婚すると聞かされ、その相手が同じカトリック信者であると知って喜ぶ。しかし、宗教はともかく、相手がコートジボワール生まれの黒人俳優ヌーム・ディアワラと判って幻滅、しかもその父親パスカル・ンゾンジが何かといちゃもんをつけてくる。ある意味クラヴィエ氏とは似た者同士なので、最終的には意気投合して無事結婚式を終える。

今や移民大国となり、今年の大統領選挙では移民排斥組が大躍進したフランスらしい内容で、一種の社会風刺劇となっているが、同時に現在のフランス社会をそのまま縮図化したお話と言ったほうが近いくらい。

5つの民族と4つの宗教の衝突ぶりは可笑しいが、「色々と小さな衝突はあるものの全体としては上手く行っていますよ」というフランスの現状(若しくは願望)を一家族に投影し表現した内容は案外ひねりが足りずにさほど面白くない。言葉遊び的に言うと、面白い(可笑しい)けれど面白くない(興味深くない)、のである。短尺で、べたべたした内容でないのは有難い。フランス映画にありがちな面倒臭さがなく取っ付きやすいので、フランスでヒットし日本でも高評価である理由はよく解る。少なくともフランス人は日本的ミーハーではない。

以下、本作に関連するが、直接関係のないお話。

移民問題が欧州で年々大きな問題になっているのは事実であろう。一方で、過激なテロが頻発すると言って、一般的なフランス人と異民族が激しく対立しているかと言うと、そうでもないのではないか。そういう意味で、本作はフランスの現状を表していると思う次第。あるいは、それが間違いであるのなら、本作は作者たちの願望となる。
 基本的に問題なのは、宗教にかかわらず、原理主義者である。我が家に毎週のように【エホバの証人】がやって来るが、彼らは聖書を盲信しているから僕と進化論で議論を闘わすことが多い。しかし、盲信している人間には何を言っても水掛け論に終始するから全く閉口する。一番問題なのは彼らが自分の頭で何も考えていないということだ。それは日本のイデオロジストも全く同じで、左右を問わず、ポジションに沿ったトークしかできない。

昔新聞に「悲しいドラマに対し面白いという意見は変だ」という投稿があった。しかし、「可笑しい」の意味で言ったら変でも、「興味深い」の意味なら正しい。投稿者は国語に関し勉強不足だろう。

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