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zoom RSS 映画評「疑惑のチャンピオン」

<<   作成日時 : 2017/05/07 08:34   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年イギリス=フランス合作映画 監督スティーヴン・フリアーズ
ネタバレあり

スポーツ観戦を広く浅く(野球だけは深く)楽しむ人間であるから、ランス・アームストロングという名前は記憶していないが、ツール・ド・フランスに無敵の選手がいたことは知っている。記録剥奪の件も聞いたことがあるような気がする。まあ、しかし、その程度の知識だ。

そのアームストロング(ベン・フォスター)はロードレースの最高峰ツール・ド・フランスで台頭するが、精巣ガンを発症、脳にまで転移しているというかなり深刻な状況。しかし、彼は過酷な化学療法により精巣ガンを、脳の一部を切り取ることで脳腫瘍を治す。
 しかし、病気治療の後遺症だけでなく勝てない肉体しか持っていないことを知ると、ドーピングに精通するイタリアのフェラーリ博士(ギヨーム・カネ)に頼って血液中の赤血球を増やし最大酸素摂取量を高める薬剤を処方してもらう。ばれそうになった時は通常の血液を急遽血管に注入する。
 中盤の場面でそれが具体的に描かれ、悪役的とは言え、一応サスペンスを感じさせる場面となっている。

実質的にチーム戦であり、彼を勝たせる為に他のメンバーもドーピングを強制される。実力者のフロイド・ランディス(ジェシー・プレモンス)もその一人で、信心深い彼に疑問が湧いてくる。かくしてアームストロングは7連覇という偉業を達成する。
 若い時から彼を知る記者デイヴィッド・ウォルシュ(クリス・オダウド)は、7連覇寸前に彼がドーピングをしていることを確信して様々の証言を集めるが、王者の権勢に押され、彼自身が仕事ができないように追い込まれてしまう。が、アームストロングの引退後に栄冠を勝ち得たランディスが自らドーピングで陽性となった時に全てを告白してアームストロングの黒が完全に確定され、やがてアンチドーピング機関により彼の偉業は全て無効とされることになる。

原作は映画にも登場するウォルシュのノンフィクションで、監督はスティーヴン・フリアーズ。安定した仕事ぶりを僕が評価している監督だから筋運びはスムーズだが、映画化されている時点で彼のドーピングが発覚しているわけで、次はどうなるかという意味でのサスペンスが足りない。それでも紆余曲折が一通り楽しめるので、ドーピングの問題を普遍的に考えたい人には一見の価値があるだろう。その意味で、自転車に興味のない人にはつまらない(だろう)というご意見は見当違いと言うべし。

彼がまだ栄光の中にいた頃伝記映画化の話があり、マット・デーモンやジェイク・ギレンホールの名前が出てくる。これは映画用のお遊びだったのかもしれないが、本作のベン・フォスターは外見もよく似ていて、かなり気分を出している。
 個人的に一番気に入ったのは、フリアーズの作品らしく、クレジット部分である。本作の場合はエンドロールが秀逸で、実際のフィルムを編集したオープニングもなかなか良かった。

リオ・オリンピックにおけるロシア選手団には気の毒な面があった。彼らの中には、組織に「試合に出させない」と脅迫された選手もいると聞く。全体主義的な色彩のある国の場合は、また別の問題がある。

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「疑惑のチャンピオン」
ツールドフランス前人未到の7連覇を達成したアメリカ人ランス・アームストロングの黒く汚れた栄光についての物語。彼は類い稀な才能と克己心をもってレースに挑んだが、その裏では薬物の力を借りた組織ぐるみのドーピングが行われていたのだ。このことが白日のもとに晒されて以降、彼は7連覇のチャンピオンの資格を剥奪され、今日、このような作品が作られることとなった。ランス役を演じるのは「マット・デイモンでもジェイク・ギレンホールでもなく」、ベン・フォスターである。そういった意味では熱演のベン・フォスターには賛辞を贈... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2017/05/07 14:04
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ガンから奇跡の復活を果たし、自転車レースの最高峰“ツール・ド・フランス”で前人未踏の7連覇という偉業を成し遂げ、自転車界のみならずスポーツ界のスーパースターに登り詰めたアメリカ人アスリート、ランス・アームストロング。長年、疑惑の目を向けられながらも、決して尻尾を掴まれることのなかった彼だったが、現役引退後の2012年、ついに米国アンチ・ドーピング機関“USADA”によって進められた調査によってドーピング違反が認定され、7連覇を含む全タイトルを剥奪された。 主演は「ローン・サバイバー」「3時10分... ...続きを見る
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